運命の恋

□4満月の夜と出会い
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シリウス・ブラックの侵入後、学校中がその話題で持ちきりだった。

リズはなんだかその会話が耳に入るのに飽き飽きして、久しぶりに禁じられた森へと向かうのだった。

リズは両親のフィールドワークの真似事がしたいとダンブルドアに申し出て、4年生の時から特別に許可をもらっている。

ただし、奥へは入らない約束だ。
リズは久しぶりの森にワクワクしていたが、次第に森の様子が少し変だと思い始めた。

"何かよそ者がいるのかな"

リズはそう思いながら森を進んだ。

すると大きな黒い犬が木の陰で眠っているのを見つけた。

"この森にこんな子いないわ..."

リズはゆっくりと近づいた。

黒犬はピクリと耳を動かして、リズを見つめた。

リズは少しずつ近づいて、様子を伺った。

黒犬はリズが何もしないとわかると、少し警戒心を解いたようだった。

リズは本物の犬にするように黒犬を撫でた。

反応は犬であったが、やはりリズはただの犬ではないと思った。

「ねえ、あなたこの森の子じゃないでしょ?

....もしかしてアニメーガス?」

リズは思い切って口を開いた。

すると黒い大きな犬は、人間の男に姿を変えていた。

「やっぱり.....」

リズは然程驚かずに呟いた。

「逃げないのか?」

男が口を開いた。

リズはその言葉に首を傾げた。

「ああ、そっか、シリウス・ブラック」

顔をまじまじと見ていたリズは思い出したというように言った。

その反応が意外すぎて、シリウスは拍子抜けした。

「逃げないのか?殺人犯で脱獄者だぞ?」

「でもあなた、私に危害を加えるつもりじゃないみたいだし。

なんかこれって両親が人狼を見つけた時みたいで素敵だと思うの」

リズはにっこりと笑った。

「鳥たちにあげるのに持ってきたパンしかないんですけど、食べますか?」

リズはシリウスにパンを差し出した。

「私リズ・クロフォード。

グリフィンドールの7年生です」

「クロフォード?」

「ご存知ですよね?ブラックさん」

リズは言ってからしまったという顔をして謝った。

「ごめんなさい。シリウスさん!

きっと純血を嫌ってたお友達ってシリウスさんの事でしょう?」

リズは慌てて謝った。

「なんの話なんだ?」

「あ、ごめんなさい。

えっと、リーマス・Jルーピンはシリウスさんのお友達ですよね?」

「リーマスか。学生時代友だった」

「ルーピン先生は今、ホグワーツで先生をしているんです。

それで、純血主義を嫌ってた友達がいたんだって会話の流れで聞いたんです」

「なるほどな」

「だからきっとブラックって名字が好きじゃないと思って」

「確かにブラックって呼ばれるのは好きじゃないな。

シリウスでいい」

「あ、はい。シリウス」

「それで、両親が人狼をっていうのはなんなんだ?」

「それは、両親は自分たちの土地の森をよく見回ってたんです。

怪我した動物はいないかとかって。

それである日、傷ついた人狼を見つけて手当てして、お話をしたんだそうです。

その後、両親は人狼の保護施設を作ったんですよ。

それの状況に似ているなって思ったんです」

リズは微笑んだ。

「それならリズは私の話を聞く気があるという事だな?」

シリウスはパンを食べながらリズに問いかけた。

「もちろんです。

私は変わり者のクロフォード家の娘ですから」

「変わり者って...別に変わっていないと思うがな。

純血主義でないのも人狼を保護してたのも。

私と一緒だからな」

リズは首を傾げた。

「でも家では変わり者扱いだったんじゃないですか?」

「......確かに」

シリウスは笑った。

そして思い出したように

「今日は満月だな」

そう呟いたのだった。






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