運命の恋
□4満月の夜と出会い
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シリウス・ブラックの仕業だとピーブズは言っていた。
生徒たちは一晩大広間で寝袋に包まって休むことになってしまった。
先生たちは全員が見回りに出て、学校中を見回っている最中だ。
リズの隣のエリーはしばらくするとすやすや眠ってしまっていた。
リズは眠れなかった。
同じ純血家系のシリウス・ブラック。
彼はなぜグリフィンドールの談話室に入りたかったのか?
リズは気になって仕方がなかった。
合言葉がなければ入れてもらえないのはわかっていたはずなのだ。
なら誰か生徒を脅して開けさせればよかったのだ。
記事のような人物ならそうしたはずだとリズは眠くなりながら思っていた。
その時、大広間に入ってくる足音と、パーシーの声、そしてダンブルドアの声が聞こえてきて、リズは耳をすませた。
そしてすぐスネイプが入ってきて、ダンブルドアと会話を始めた。
どうやらもうシリウス・ブラックは校内にいないようだった。
「校長、先日の我々の会話を覚えておいででしょうな?
あー確か1学期の始まった時の?」
「いかにも」
「内部の者の手引きなしにはブラックが本校に入るのは不可能かと。
我輩しかと忠告申し上げました。
校長が任命を--」
「セブルス、内部の者が手引きしたなどとは、わしは考えておらん」
そう言ったダンブルドアはこれからディメンターに会いに行くようだった。
リズは再び静かになった大広間で寝転びながら考えた。
学期の初めにということとスネイプの言いかけた任命。
この二つから、リズはルーピンの事だと気がついた。
"スネイプ先生はどうしてそんなにルーピン先生を毛嫌いしているのかしら?"
"それになんでルーピン先生がシリウス・ブラックを手引きすると思ったのかしら"
そこまで考えて、そういえばスネイプ先生とルーピン先生の年齢は同じくらいかしらとリズは思うのだった。
"明日図書室で卒業生名簿を見てみよう"
リズはそう思いながら、やっと眠りについたのだった。
翌日、リズは図書室で卒業生の名簿を見ていた。
するとセブルス・スネイプの名前とリーマス・J・ルーピン名前が同じ年代に載っていた。
"同い年なんだ"
そしてあれ?とリズは気がついた。
シリウス・ブラックの名前も同学年に記載されていたのだった。
"成る程、ルーピン先生とシリウス・ブラックは友達だったのね、きっと"
だからスネイプ先生は疑っているのだとリズは思った。
だけどとリズは同時に思った。
"ルーピン先生は生徒を危険にさらすような人ではないと思うな"
そうリズは思うのだった。
だって、見回りの途中で送ってくれたり、自分が人狼であることの危険性をわかっているようだったからだ。
"ならシリウス・ブラックは友達にも内緒で何かしたいのね"
そう結論に至ったリズは少しだけスッキリした気分で図書室を出て行くのだった。
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