運命の恋

□4満月の夜と出会い
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リズがルーピンの部屋の戸をノックすると、どうぞ、とルーピンの声がリズに届いた。

「失礼します」

「ああ、リズ」

ルーピンは笑顔で言った。

「どうもありがとう」

「ちょうど今ハリーにグリンデローを見せていたんだよ。

リズも見ていくかい?」

「えっと、私は...」

「紅茶も淹れるけどどうかな?」

「いえ、ルーピン先生。

これを飲んでいただいたら帰ります」

「そうかい?」

ルーピンは残念そうに言って、リズから受け取った薬を飲み干した。

「スネイプ先生が足りなければ作りますって言ってました。」

「明日もう少しと伝えてくれるかい?」

「わかりました」

リズはそう言って帰ろうとしたが、ハリーが何か言いたげにリズを見ていて、リズは首を傾げた。

「ハリー、どうかしたの?」

「え...リズさんはホグズミードに行かなかったんだなと思って」

「ああ、うん。

スネイプ先生に薬の調合を教えてもらう約束だったの」

「じゃあこの薬はリズさんが?」

「え?そうね、教えてもらって私が調合したけど...どうかしたの?」

「あの、リズさんも知ってると思いますけど...

スネイプ先生は闇の魔術にとっても関心があるんです」

ハリーはルーピンに向かっておずおずと言った。

「そうなのかい?」

「人によっては、闇の魔術に対する防衛術の講座を手に入れるためなら何でもするだろうって言う人がいます。」

「ハリー、ハリーの心配してることは何もないと思うわ。

私も馬鹿じゃないから。

いくら知らない調合方でもね、合ってるか間違ってるかくらいは判断できるのよ?

魔法薬学って数式みたいにきっちりしているものだから」

リズはハリーを宥めるように言った。

「さあ、ハリー、そろそろ友達も戻ってくる頃じゃないかな?

また宴会で会おう」

ルーピンはハリーを促した

「はい」

そう言って出て行ったハリーを見送ってから、リズも部屋を出ようとした。

けれどルーピンの言葉にそれはかなわなかった。


「リズ、満月の夜、一緒にいてくれないかい?」


リズは固まった。

自分で言ったとはいえ、まさか本当に一緒にいてくれと言われるとは思ってなかったのだ。

リズは赤くなる顔を見られないように、背を向けたまま頷いた。

「それじゃあ、私の部屋に来てくれ」

ルーピンが言うのを聞いて、リズは今度こそ部屋を出るのだった。


"先生は寂しいだけ...それだけ。

私を必要としてくれてるわけじゃないんだから勘違いしちゃダメ"

リズは必死に自分に言い聞かせた。

リズもエリーが待っているであろう大広間に急いで向かうのだった。


宴会も終わり、グリフィンドールの談話室に戻ろうとエリーと歩いていたリズだったが、人だかりで思うように進めなかった。

「どうしたのかしら?」

エリーと首を傾げて前の様子を伺ったリズは太ったレディーの肖像画が切り裂かれているのを目にしたのだった。

「ひどいわ...」

「リズ?どうかしたの?」

「太ったレディーの肖像画がズタズタなの....」

リズの言葉にエリーも顔面蒼白になった。

そこにダンブルドアが現れ、生徒は全員大広間に戻されることになった。







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