運命の恋

□3確信
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「それじゃあネビル、準備はいいかな?」

ルーピンはネビルに確認してから3つ数を数えて洋箪笥の戸を開いた。

そこから本物と寸分違わないスネイプが出てきて、ネビルは一瞬後ずさった。

けれど上擦りながらも呪文を唱えることに成功したネビルの前には、見事にレースの付いたドレスを着た姿に変わったスネイプが姿を現していた。

その格好にクラス中がどっと笑いに包まれて、ボガートが立ち止まった。

ルーピンが次々と生徒を呼んでいく。

皆上手くボガートを面白い姿に変えていった。

「よし、混乱してきたぞ」

ルーピンが叫んだ。

「よし、ロン」

ルーピンに呼ばれて前に出たロンの前には巨大な大蜘蛛の姿に変わったボガートがいた。

「リディクラス!」

ロンが叫べば蜘蛛の足が消えてゴロゴロと転がり、ハリーの前に止まった。

ハリーが杖を構えたが、ルーピンが間に入った。

「こっちだ!」

リズはその瞬間に確信してしまったのだった。

ルーピンの前には銀白色の玉が浮かんでいる。


"満月だ...."


リズは他に誰も気づきませんようにと祈った。

「リディクラス」

そうルーピンが唱えて、最後にネビルを呼びネビルがボガートに止めを刺した。

ボガートは破裂して何千という細い煙の筋になって消え去った。

全員が拍手する中、ルーピンは大声で言った。

「よくやった!

ボガートと対決したグリフィンドール生一人につき5点あげよう。

ネビルは10点だ、二回やったからね。

ハーマイオニーとハリーにも5点ずつだ」

「でも、僕、何もしませんでした」

「ハリー、君とハーマイオニーは授業の最初に質問に正しく答えてくれた。」

なんでもないことのようにルーピンはハリーに言って、クラス全体を見回した。

「さあ、皆いいクラスだった。

ボガートに関する章を読んで、まとめを提出してくれ。

月曜までだ。

今日はこれでおしまい!」

皆が興奮しながら職員室を出た。


リズはルーピンに近づいた。

「ルーピン先生、あの...」

「なんだい?リズ」

リズは言い淀んだ。

なんと言えばいいというのか。

あなたの秘密を知っていますとでも?

リズは首を振って言った。

「いえ...なんでもないです。

授業を見学させていただいてありがとうございました。

私もレポートを書いたら見ていただけますか?」

「それは構わないが...それこそ3年生の頃にやったんじゃあないのかい?」

「えぇ、まあ。

でも復習も大事ですし、いつも見学した授業で宿題がある時は提出させてもらってるんですけど...」

「そうなのか。見るのは一向に構わないよ」

ルーピンは微笑んだ。

そして思い出したように鞄から一冊の本を取り出した。

「この間約束したケルピーについて詳しく書いてある文献だよ」

「あ、ありがとうございます!」

リズは嬉しそうに本を受け取った。

「本当に勉強が好きなんだね」

「そう、ですね」

リズは苦笑した。

「好きというか、色々な知識が必要だから、それが身につくのがとても嬉しいんです。

でも、そのせいで後輩にはレイブンクローじゃないのを不思議がられるし...。

友達には勉強ばっかりで浮いた話もなくて、恋愛話も出来ないって嘆かれたりしますけどね」

「会ったばかりの私にも勉強熱心なのが伝わるくらいだからね」

そう言って笑うルーピンだったが

「だけど、そうだね。

誰かと付き合う経験もした方がいいかもしれないね」

そう真面目な顔で言うのだった。

リズはその言葉にドキッとして

「それは....私の好きな人次第ですね」

そう言ったのだった。

ルーピンはその言葉に驚いた顔をした。

「なんだ、好きな人がいるのかい?

今までの感じだといないんだと...」

リズは恥ずかしそうに頬を染めていた。

当の本人を目の前になんて話をとリズは若干混乱してもいた。

「あ、あの....私そろそろ行かないと!

友達の宿題を見てあげる約束なんです」

「そうなのかい?それは引き止めてすまなかったね」

リズはありがとうございましたと頭を下げて、慌てて職員室を出て行ったのだった。


ルーピンはしまったなと、一人残された職員室で顔を覆った。

正直いってさっきのリズの顔は反則だと。

「それにしても好きな人がいるのか...」

ルーピンはモヤモヤする気持ちを無理やり押し込めて気づかない振りをするのだった。







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