運命の恋
□2過去のこと
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リズの家は純血の家系だった。
にもかかわらず、特に純血主義でもなく血にかかわらず交流を持っていた。
純血主義の家からすると変わり者のクロフォード家だと言われていた。
けれど、リズの両親は特に気に留めていなかったようにリズは記憶している。
広大な土地と資産を持っていたリズの両親は動物が好きで、自分の家の土地にある森の動物たちの怪我の手当てや希少種の保護などをしていた。
二人共が魔法薬学、薬草学などをとても得意としていて、怪我している動物たちには薬を調合していたのだ。
そんなある時、いつものように両親が森の見回りしていると、傷ついた人狼を発見したのだ。
両親はその人狼を自宅に連れ帰り手当てをしたらしい。
意識が戻ると両親は人狼の話を聞いた。
それがきっかけで、両親は人狼を保護する施設を作ったのだった。
同時に人狼達の為に脱狼薬の開発研究を開始したと、そうリズは聞いている。
まずリズの両親は研究所と人狼を保護する施設を作った。
研究所と隣接した保護施設では、人狼達の為の生活区域と薬草を育てる温室、満月の夜に暴れても大丈夫な部屋が作られていた。
働き口のない人狼には温室での薬草の栽培を手伝ってもらい、研究に使う分以外を売りに行って人狼達へ多少の給金を与えていた。
残りは食費や施設維持費に使っていたようだった。
施設で暮らす人狼達の生活も落ち着きルールも定着した頃には、それからだいぶ時間が経っていた。
そんな頃にリズは産まれたのだという。
リズが覚えている限り、気づいたら人狼たちの輪に入り一緒に薬草の手入れをしたり、遊んだり、両親の手伝いをしていたように思う。
満月の夜以外はいたって普通の人たちなのだ。
リズはそんな優しい彼らが大好きだった。
将来は人狼たちの為に両親の研究の手伝いや施設運営を手伝いたいと、幼いながらに思っていたのを覚えている。
もちろん今もその気持ちは1ミリだって変わらない。
その為にこの6年間必死に勉強してきたのだから。
けれどそんな人狼達との暮らしに終止符が打たれたのが、リズが7歳の時だった。
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