一途な恋を黒犬と
□3動き出した時
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そうしてシリウスの話によれば、ギリギリの所でシリウスとピーターは守人を変わり、ピーターが闇の帝王に寝返りポッター夫妻の居場所を教えたのだという。
だからシリウスはピーターを追い、追い詰めた。
けれどもピーターは自分の指を切り動物もどきに変化して逃げたというのだ。
「だから指が一本しか見つからなかったのね」
未登録のアニメーガスだと知っていたのに盲点だった。
そうマリアはあの頃の自分の調べの甘さに歯噛みした。
ダンブルドアは気づいていたのかもしれない。
「日刊予言者新聞にあいつが載ってたんだ。ピーター・ペティグリューが!」
「待って、いつ?ネズミ姿のピーターが写ってたってこと?」
「ウィーズリー家のネズミがピーターだ」
「嘘でしょ...あのスキャバーズが⁉」
彼らが入学してきて3年目だ。
スキャバーズとも遭遇したことがある。
シリウスの冤罪を晴らす為の証拠がこんなにも近くにありながら、自分は何をしていたのかとマリアは悔しく思った。
「シリウスはピーターを捕まえる気なのね?」
「もちろんだ」
「でもホグワーツの周りにディメンターが放たれる予定よ..ホグワーツに来るなんて危険すぎる!」
「ジェームズとリリーの仇を取るんだ。危険なことくらい構わない!」
あぁそうだ。彼は仲間思いで優しい人。仲間を裏切るくらいならば死を選ぶくらいに自身を顧みない人だ。
それが彼、シリウスブラックだとわかっていても、マリアは悲しさと苛立ちが募るのだった。
「叫びの屋敷に潜伏して、そこからホグワーツに入るつもりだ」
「....」
「マリア?」
「...今度は私の話、聞いてくれる?」
「あ、あぁ」
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