一途な恋を黒犬と

□9クリスマスと消えたあいつ
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手紙を送ってからしばらくして、部屋の戸がノックされた。

「はーい」

シリウスがスナッフルズになったのを確認して、マリアはドアを開いた。

「あら、ハーマイオニー。

早かったけど、時間は大丈夫?」

「はい。大丈夫です」

そう、とマリアは頷いてハーマイオニーを部屋に促した。

「座ってね、今紅茶を用意するから」

「ありがとうございます。

...あの、お話って?」

ハーマイオニーは席に着くなり聞いてきた。

「一つはリーマスの事なんだけど..」

「ルーピン先生の....」

「気づいてるんでしょう?」

マリアはハーマイオニーに問いかけた。

「あの、はい。でも私...!」

「わかってるわ。

秘密にしておいてくれてるのよね?」

「はい。だってダンブルドア先生はご存知なんですよね?」

そうハーマイオニーは不安気にマリアに問いかけた。

「もちろんご存知よ。

その上で頼んだの。

ダンブルドア先生も私もリーマスの事を信頼しているわ。

危ないことにはならないから」

「マリア先生が言っていたから、私もルーピン先生を信じようと思ったんです。

それに、ハリーが言ってたスネイプ先生の薬って、脱狼薬なんですよね?」

「あら、そこまで気づいてたのね。流石だわ!

そう、薬も飲んでるし大丈夫。」

それに、とマリアは続けて

「ちゃんとリーマスを見てくれてありがとう」

そうマリアは微笑んだ。

「さて次はクルックシャンクスの事なんだけど...」

「え?クルックシャンクスの?」

「あぁ、勘違いしないでね。

ロンの見方をしようってわけじゃないのよ?」

怪訝そうなハーマイオニーにマリアは慌てて言った。

「あのね、私はスキャバーズは生きてると思うの。」

「だけど...あんなに血が」

ハーマイオニーは思い出して涙ぐんだ。

「そうね、だけどクルックシャンクスに食べられたと思わせるようにスキャバーズがやったことなのよ」

「でもそんなことって...!

だってただのネズミですよ?」

ハーマイオニーはありえないとかぶりを振った。

「うーん、それがただのネズミだと断定出来ないのよね...」

「それってどういうことですか?」

「ごめんね、詳しく話せないんだけど...。

普通のネズミじゃないと思ってて?」

「はい.....」

ハーマイオニーは渋々頷いた。

「だからクルックシャンクスは執拗にスキャバーズを狙ってたんだと思うの。

あの子とっても頭がいいわ。」

ハーマイオニーは頷いた。

「大丈夫。ロンもわかってくれる。

スキャバーズは私も探すし、

見つけられればクルックシャンクスがどうしてスキャバーズを狙うのか、

ロンやハリーにもきっと説明できるから。」

マリアはハーマイオニーの背をポンポンっと叩いた。

「マリア先生、私...ロンに酷いことを...」

「大丈夫。ちゃんと仲直りできるわ。

ロンにももう少しだけ時間をあげてね

きっと今はショックで聞く耳をもてないだけよ。」

そう微笑んでハーマイオニーに紅茶をすすめた。

「何かあれば話を聞くから、いつでも言ってね。

忙しいだろうから時間は合わせるから」

マリアはハーマイオニーに優しく言った。

「マリア先生、ありがとうございます」

「いいのよ。ハーマイオニーは少し頑張りすぎかな。

少ーしだけフレッドとジョージを見習った方がいいかもね」

マリアはニッとハーマイオニーに笑いかけた。






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