記念
□マヨラー独占権
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彼は、つくづく思った。
俺の周りには、ロクな奴がいない、と。
マヨラー独占権
例えば…彼の(一応)上司である、某ゴリーラとか、サディスティック星の王子とか、なんかミントン(なんでミントンなんだ)やってる奴とか、例を挙げるときりがないのだが。
とにかく、これだけは言えるのだ。
本当にロクな奴がいねぇ。
そして、そんな知り合い(とは呼び難い)が多い彼、土方十四郎は、冬の朝霜が降り始める時間帯にも関わらず、目覚めたばかりだった。
少し肌寒いのは、冬の早朝だからだろうか?
何時もなら、余裕をもって起きるにしても、あんまりにも早すぎだった。
朝会に行くには早すぎる、そう、まだ日の昇っていない空を思い浮かべながら、締め切られた窓を眺めた。
そこでふと、土方は思った。
俺の部屋には窓はあったか、と。
いやいやいや。
なかっただろ。あるのは窓じゃなくて襖だろ。
じゃあ、ここはどこなんだ?
取り留めのない疑問が、頭の中を行ったりきたりするが、答えなど出てこない。
昨日のことを思い出そうと頭を抱え、ようとしていた手が止まった。
(いやさ、なんか普通の布団にしては柔らけぇな、とか思ってたけどよ…)
頭の中で独り言が炸裂しだす。
恐る恐る、隣を見て見る。
そこには、銀髪頭の男、基、坂田銀時が体をくっつけて寝ていた。
しかも、パンツ一丁で。
いやいやいやいやいや。(本日ニ度目)
ないないないない。
絶対にソレは有り得ない。
ないったらない。
野郎に手を出すとか、あるかm…ねぇよ!!!
よし、とりあえず帰ろう。
考えるのはその後だ。
混乱しながらも、今自分がやるべきことを見いだし、土方は足にかけられた布団をめくるようにして外す……のをやめた。
そりゃもう、光の速さで途中までめくっていた布団を戻した。
「…っ!!!!?」
驚きの余り、目をひんむく。
え、何コレ、…え?
いや、え?
だって、…………ええぇぇぇ!?
再び混乱が訪れる。
もう一度、土方は布団をめくって確かめた。
冷や汗が、たらりとこめかみを流れ落ちていく。
(…なんで俺は、何もはいてないんだ……)
決定的すぎる証拠に、土方は
(俺がヤられたのかよ!?)
男のプライドとか、自尊心とかその他諸々が崩れ去っていくのが聞こえた。
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