戦国小説

□浴場乱闘
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天下が収まり平穏な日々を皆送っていた。








その中に一人










「納得いかないなぁ」


ねねは湯船の縁に顎を乗せてふーっとため息をした。

「どうしたんですか?ため息等して。」



からからと引き戸を開けて稲と銀千代が入ってきた。

「なんでもな〜い。」

明らかにふて腐れたような声を出して答えるねねに銀千代が近づき頬をつねる。

「たたたたっ!!なにするの突然ι」

「何を不貞腐れた顔をしている。可愛げないぞ。」



「……。」



ねねはタオルがハラリと落ちて露になった銀千代の胸を鷲掴みする。











「ぎゃぁぁぁぁ!!」










一瞬固まって銀千代の叫び声がこだまする。





「煩いですねぇ。湯船くらいゆっくり浸かれないのですか?」




二人を後目に稲が体を流している。



「貴様っ!何をする!!」




掃除用のブラシを構えている銀千代を全く気にも止めず今度は自分の胸を気にしている。


「ねねさんどうしたんです?」

体を流し終わった稲が湯船に入ってねねに近寄る。


「稲も触らせて!」


「良いですよ。減るもんじゃないですし。」
銀千代は二人のやりとりと正気では無いといった顔でブラシを持ったままワナワナと震えていた。



「やっぱ張りが違うわ…」



稲の胸をワシワシと揉みながらため息混じりに呟く。


「そうですか?」




今度は稲がねねの胸を触ってう〜んと考えている。


「まぁ、お年ですから!」


存分に揉んでおいて稲がサラリと言った。



「酷い子だね…」


「でもなんで今さら?…あ、三成様となんかありました?」




「何も無いから困っているのでは?」



戸を引いて入ってきたのは濃姫がグサリと刺さる言葉を発した。



「ねね、感度が良ければ良いのよ」

濃姫がにこりと笑って続ける。


「お濃様…厳しい」


稲がつい苦笑いをする。
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