COLORFUL DAYS-色 鮮やかな日々-
□モノクロの世界
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俺は、また青年を頭の先から足の先まで見る。
女受けするような顔と今どき珍しいほどの肉食系な体。
俺とは正反対だ。
取り敢えず、危害はなさそうだ。
そう思った俺は口を開く。
「食っても良いけど、購買に行って良いか?」
「あっ、はい!!」
近くにいるのに驚くほど大声で青年は返事をした。
元気っ子
そんな単語が浮かぶ。
購買に寄って菓子パンとサンドイッチ系をそれぞれ2つとコーヒーを買った俺は、青年に連れられて屋上へと足を進めた。
屋上には、誰もおらず4月の爽やかな風が穏やかに吹いて俺達の頬を優しく撫でる。
1年と少し、この学校に登校しているが、屋上がこんなに気持ちの良い場所で景色も良いとは知らなかった。
単に俺が覚えていないだけかもしれないけど……。