Novel
□Sweetbrier
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キーンコーンカーンコーン…
キーンコーンカーンコーン…
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。ざわめきながらも、クラスのみんなはそれぞれ自分の席に戻り出した。さっきまで寝ぼけていたシグも頭を起こし、やる気がなさそうな顔をしつつも、みんなと同じように次の授業の用意をした。
…ガラッ。
チャイムが鳴り終わると同時に、レムレスが教室に入って来た。いつもと同じ格好で、いつもと同じように愛用のほうきとお気に入りのスウィートキャンディーを持っている。
「こ・ん・に・ち・は〜。」
喋り方もいつも通り。みんなはどんなこれが楽しい授業になるか期待している。…皮肉にも、殆どの視線はキャンディーに向いているようだが。
「みんなこれが欲しそうな顔してるけど、このキャンディーはあげませんよ〜? じゃあ、授業を始めましょうか〜♪」
「えーっ!」
キャンディーに期待していた人が大半だったせいか、今のでクラスのテンションがかなり下がってしまったようだ。これではせっかくの授業が台無しになってしまうかもしれないかも…。
「それじゃあ、授業でちゃんと勉強した生徒さんには授業の後にキャンディーをプレゼントしますよ〜。」
レムレスは授業を台無しにしたくないという思いと共にいつものノリでの良さで授業を始めた。
…でも、今のこの教室はフェーリとクルークがいるから、下手なマネは出来ないな…;;
一応、ちょっと前にアコール先生と打ち合わせしてるけど、いざ本番となると「教育」って難しいな。僕なんてあんまりまともに授業受けた訳じゃないから、余計に難しいや;;
「…じゃあまずはお手並み拝見ということで、自分の隣の人とぷよ勝負して下さいね〜。」
最初はこんな感じで良いかな? 取りあえずレムレスはクラスを見て回った。クラスじゅうの視線がこっちに来るのがちょっともどかしかった。
(アミティ達生徒は…)
「隣の人とぷよ勝負?! じゃあ、あたしはクルークとだね〜。本気モードでいくよー!」
「…またそのセリフかい? ボクにとっては大したセリフじゃないな。もちろん勝ちにいかせてもらうよ。」
「…アナタ、アタシに勝つつもりね…?」
「うん、勝ちたいー。キャンディーほしいし。」
「無・理・よ。アナタはアタシに勝てないわ。意地でも勝ってやるわ…。」
クラスは一斉にぷよ勝負を始める。まるでちょっとした大会のよう。普段の授業風景を知らないけれど、生徒達の楽しそうな様子を見ると安心出来た。
もっとも、フェーリは闘争心むき出しのよう。レムレスに近づく者には容赦しない…!といった様子。シグには全く無意味のようだが…。シグ本人はそれに気付いてすらいない模様。
アミティとクルークは例を見ないほどのように熱戦を繰り広げていた。大半の人はぷよ勝負が終わってしまっていたので、アミティ達の勝負を眺めている。それでも、アミティが負けるのはいつもと変わらなさそう。それでも教室の中は段々と盛り上がっていく。かなりの熱気を感じる…。
「僕らの学校とはまるで違うじゃないか…。アミティもクルークもやるなぁ…。」
ここの環境と今までに自分の学んで来た環境があまりにも違っているので、レムレスは気持ちが段々と落ち着かなくなってきた。。