黒バス

□黄瀬バレンタイン
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なんでこうなってしまったのだろうか。
壁に背中を預け、目の前には一人の男性が壁に手を当てている。
これは今はやりの壁どんではないだろうか。



黄瀬バレンタイン



こんなひとけの少ないところで、真っ正面で見られている私の顔。
私の身長に合わせているので、顔が目の前にある。
あぁ、こんなの見られたら絶対勘違いされる。

『で、用ってなんッスか?』

『あー、その、えっと…とりあえず、離れてくれるかな?』

『ええー、俺といるのイヤなんスか?』

『そうじゃないけど!
こんなところでこんなことしてたら騒がれるでしょ。
黄瀬君はアイドルなんだから』

『でもここに呼んだのは君ッスよ?』

そう言われるとなにも言い返せなくて。
ニヤニヤする黄瀬に内心ドキドキしている私。
あぁ、もう!こんなところ選ぶんじゃなかった!
早く終わらせちゃおっと!

『あの、これ……』

『お?チョコッスか!やったー!
君から貰えるとは思ってなかったッス!』

『あ、いや、それ、私のじゃなくて…』

『へ?』

『ゆ、友人の……』

そういって持っていたバックを開くと5〜6個の可愛い箱が。
もちろん中にはチョコレートが入ってる。
最近ちょっとした出来事から仲良くなった黄瀬君。
彼と仲がいいという理由でこんな役に回されるとは運がない。
だって、多分彼は……
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