ボカロ

□嫌われているような
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嫌われているような




『ミクー!』

『なあに、お兄ちゃん?』

『一緒にアイス食べよう!』

『やだ』

最近の妹は少し反抗期です。
2文字でキッパリと拒否され、すごすごと自分の部屋に戻っていく俺。
なんでだ。
昔は二人でこたつに入りながら、みかん味のアイスをもぐもぐ食べてたのに。

どうも最近、ミクが俺に対して冷たい気がする。気のせいだろうか。

そうモヤモヤしていると乱暴にドアを叩く音がした。
返事をする前に勝手に入ってくる一番下の妹。

『カイト兄ー!そろそろがっくん達来るよー?』

『あ、もうそんな時間か』

『早くしないとお料理全部食べちゃうからね!ミク姉の手作り料理!』

『なに!?』

リンがご機嫌そうに俺の部屋を出ると、俺もすぐに着替えて追いかける。
妹の手料理を食べない兄などどこにいるか!
ドカッ!とドアを開けリビングにダイブ。
机の上に綺麗に並べてあった輝き溢れるお料理に手を伸ばすと、後ろから頭を叩かれた。

『つまみ食いとは…悪い人ですね、お兄さん?』

『いて……ルカっ!スリッパで叩くことはないだろ!!しかも、それトイレの……!』

トイレのスリッパを持って仁王立ちしている一番上の妹。
俺は彼女が兄妹にの中で一番苦手だ。
最近は姉のめーちゃんに似て性格もキツくなってきたし、英語が得意な彼女は、全く英語が話せない俺に何かと言ってくる。
そしてなにより、彼女は……

『どうしたのルカさん?』

『あ、ミクちゃ〜ん!今ね、悪いネズミからミクちゃんのお料理を守ってたの〜』

『悪いネズミ?……あぁ』

俺をチラリと見てため息をつくミク。
にこにこ微笑みながら語尾があがるルカ。
そうだ、ルカはミクを溺愛しているのだ。 
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