ボカロ

□苺とワンピース
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もっと、もっと大きくなればこっちを見てくれる?



苺とワンピース



『レンくーん!』

『あ、ミク姉!』

とてとて可愛く駆けてくる俺の姉。
いつにも増してオシャレしている彼女を見て、心臓が跳ねる。

『どうしたのミク姉?今日はなんか……か、かわ……』

『えへへー!昨日買ったばかりの服なのー!』

くるりと一周まわり、花柄のワンピースをヒラヒラさせる。
細くでも程よく肉がついた足に、赤いベルトでキュッと搾られた腰。
リボンのついたぺたんこ靴はミク姉の一番のお気に入りの靴だ。

(あ、こっちにもリボン…) 

胸元についた大きな白いリボン。
ふんわりとしたそれは触れたくなるほど、柔らかそうに見えた。

『レンくん?』

『え!?』

『どうかしたの?ボーとしてて…』

『ううん!なんでもないッ!』

ミクの言葉で我に返ると、さっきまで想像していたことが急に恥ずかしくなった。

(なに想像してんだオレ!触れられるわけねーだろ!ミク姉の、胸なんて……ッ!)

つい、チラリと見てしまう男心。
同年代より小さいことが悩みだと話してるってリンから聞いてたが、俺はそんなことないと思う。
たしかにメイコ姉ほどではないが、お椀のような小さな膨らみがある。
リンのまな板なんかよりは断然こっちの方がいい。

『レン君、この服好きなのー?』

『え、な、なんで?!』

『さっきからジーって見てるから…』

『え、えーと……、うん、そうかな?リボンとか…』

『あ、わかる!?私もこのリボンが気に入って買っちゃったんだ!』

ニコッと笑うミクはまるで天使のようだと思った。
変なことを考えてしまった自分に反省する。
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