甘い夢を
□クリスマス
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クリスマス…
それは一年に一回しか存在しない、大切な日……
恋人達は寄り添う白い雪の中…
大きなクリスマスツリーが彼らを見守っている…
『なーんてことあるわけないじゃない』
私は信じない。
例えどんなにロマンチストでも。
『ふん、デュエルアカデミアの行事だかなんだか知らないけど、生徒全員喜んで
いると思ったら大間違いなんだから!!』
『あれ?君は……』
不意に後ろから声がした。
『十代達と一緒にいた……』
『ふ、藤原先輩!!!』
びっくり仰天。
私は何歩か下がった。
『僕のこと知ってたんだ…、ってなんで下がるの!?』
『反射的に…ごめんなさい。』
『いや謝らなくても…』
藤原先輩は少し照れた様子で私を見た。
『もしかして1人?』
『はい。』
『良かったら、僕と一緒に…』
え!?っと言いかけた時だった。
『おはよーん!!!』
ガバッと後ろから抱きつかれた。
『吹雪先輩っ!!?』
『!?』
『やぁ、藤原もお久しぶり☆』
ハイテンションな彼はギュッとしていて、私を離してはくれなかった。
『吹雪…僕が誘おうとしてた女性をとらないでくれる?』
『まだ誘ってないんだろ?じゃあ、僕にもチャンスあるよね。』
バチバチと火花が散る。
ヤバい、ヤバいよこの雰囲気。
『吹雪はたくさん女の子がいるだろ!?』
『それはファンの子達。好みの女の子を選ぶ権利だって僕にもあるはずさ。』
『だからってこのタイミングに……!!』
(どうしよう…)
私があたふた悩んでいると、背後から口を抑えられた。
『むぐっ!?』
『静かに。』
何だろう、この展開。
しかもこの声は…
『むごごー!?(カイザー!?)』
『お前は俺と来い。』
……は?
『返事は?』
『は、はいっ!!』
急に口から手を離され、大声で叫んでしまった。
『『亮…?』』
藤原と吹雪の喧嘩が止まる。
『悪いな、コイツは俺がもらってく。』
『はいぃー!!?』
『キャッ!?』
『じゃあな。』
私は亮に担がれ、そのまま部屋へ向かった。
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