甘い夢を

□私たちの関係
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【感謝小説A】

『この変態がっ!!!!!』

『痛っっ!?』

私は思いっきり十代を殴った。

『な、何すんだよ!?舌切っちまった……』

『それはこっちのセリフ!!何しようとしたのよ!今!!!』

『え…そりゃ、もっと濃厚な関係に…』

『バカッッッ!!!!!』

再び鈍い音が響いた。
十代は痛そうな目で私を見る。

『お前な……』

『何よ!!もぅ、口も聞かないから!!』

『なっ、おぃ!!!』

そぅ言って彼女は部屋から出ていった。
十代はよろよろと立ち上がると頭をおさえ、考え込んだ。

(俺、そんなに悪いことしたか?キスしてる最中にちょっと触っただけなのに…)

あまりに急な出来事に混乱している。
可愛い…ただそれだけで動いた行動が彼女を怒らせてしまうなんて。
好きっていう理由じゃ駄目なのかと悩んでいた。

『きゃあああ!?』

彼女の叫び声が聞こえた。
俺は我に返り、焦って部屋を出る。
彼女はキッチンで青ざめた顔をしていた。

『どぅした!?』

『十代……あれ…』

『……?』

指差した方向を見る。
白い大きな冷蔵庫の下の隙間から茶色いものがゴソゴソ動いていた。

『あれってゴキ…』

『きゃああ、言わないでぇ!!』
そうとう虫が嫌いらしい。
俺はその虫に近づき様子を見た。

『なぁ……お前なんかしたか?半死してるぞ。』

『だって怖かったから…スリッパで…』

(叩いたのか…。)

俺は近くにあったほうきで虫を外へ追い出すと、彼女の頭をなでた。

『怖かったか?よしよし…』

『ぅ…ん…』

必死に涙を止めようとする仕草がが可愛く感じる。
涙目に少し荒い息、赤い頬をしてこちらを上目使いで見られた時…俺の中で何かが解除された。

彼女は何か思い出したようで、焦って十代から離れた。

『ハッ!ちょっと十代…私、口聞かないって…!!』

『もぅ遅いよ…』

声が低くなる。
なぜか私は背中がゾッとした。

『ぇ……十代…?』

『お前のせいで抑えていた人格が表にでてしまったようだ…。責任、とれよ?』

『まさか…覇王の時の……んんっ!?』

唇を奪われ、中をかき回される。
あまりに濃厚なキスで力が抜けてしまった。
倒れそうになった私を十代が受けとめる。

『さて……どぅ料理するか…』

『ちょっ……十代…』

『…いただきます。』

この後、あまりの激しさに私は意識を失ってしまった…。
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