黒バス

□突然のキス
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『お前、彼氏はいないのか?』

突然聞かれたこの質問に私の身体は硬直した。



突然のキス〜緑間編〜



『え、なに、急に…?』

『いるのか?いないのか?』

『い、いないけど……』

圧迫質問のような、怖いオーラを漂わせる緑間に正直に答えてしまう私。
いきなりどうしたのこの人は。

『じゃあ好きな人は?』

『い、ないけど……なに?!
なんか怖いんだけど!』

『なら問題ないのだよ』

そう言うと緑間は無表情のまま眼鏡をクイッとあげた。
質問の意味が分からず、私は戸惑いと同時に苛立ちを感じた。
聞くだけ聞いて、なんなのこの反応!?

『じゃ、緑間はいないの?私ばっかでずるいじゃん』

『なにがだ?』

『だから、好きな人とか!』

『なにがズルいんだ』

『そっち!?え、だから、私ばっかり質問に答えてズルいじゃん。緑間も……』

私の言葉はそこで切れた。
気づかなかったのだ、私は彼が眼鏡を外していたことに。
そして、唇に感じる温かい感覚。
ふわりと優しく、でも頭の中は真っ白。

『んむ……』

離れてからも私はボーとしていた。
彼はスッと眼鏡をかけると、思考がはっきりしない私に語りかけた。

『運勢が悪くてな』

『…ん?』

『運を回復するには彼氏のいない女とキスしなくてはならなくてな。こう言ってはなんだが、そこらへんの女としようとは思わないし、なにしろ俺は女友達とやらはいないのだよ』

『は!?それで私!?』

『あぁ、礼を言う』

『サイテーーーーー!!!!』

その場からスタスタと去っていく緑間に怒鳴る私。
影からパシャッとシャッター音がしたが、今の私にはそれを気にする余裕がなかった。


(素直じゃないな〜、真ちゃんは)(…なにがだ)(これだよ、これ。本当は今日の占い一位だったくせにー)(貴様ッ!いつのまに撮った…!?)
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