救世主
□誕生日
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Happy Birthday 俺。
1月21日は俺の誕生日。
ソロ活動を始めてから、独りで誕生日を祝うようになった。
「Janne Da Arc」として活動していた頃はメンバー全員でパーティーをしたり、恋人であるyasuと二人で過ごしたりしていた。
しかし、ソロ活動のせいで、それぞれの活動が忙しく、会う機会は全くと言っていいほどなくなった。
それでも、メンバーの誕生日の時にはメールを送りあっていた。
最初にshujiから、
「誕生日おめでとう。 活動、頑張れよ。」
というメールがきた。
それに続くように、you,kiyoとメールがきた。
「ありがとうな!めっちゃ嬉しいわ!お互い、頑張ろうな!」
と返事するも、心の中は何かモヤモヤしている。
理由はわかっている。yasuから、メールが待っても待ってもこないのだ。
「yasuのアホォ…バーカ…恋人の誕生日位祝えや ハゲー…」
こんな事を言っても、yasuに届くことが無いのはわかっている。わかっているから悲しくて、寂しくて、泣きたくなった。
「誰がハゲやねん。コラ。」
いきなり後ろから声がした。すぐに誰かわかった。
しかし、振り返ることができない。
「ハゲやろ。恋人なら一番に祝えや。ハゲ。」
嬉しくて、さっきまでの心のモヤモヤが晴れて、涙があふれてきた。
「恋人がハゲって嫌やろ?それに、このyasu様はハゲませーん。」
「うるっ…さいわ…ハゲッ…」
「はいはい。ハゲでいーですー。やから泣くな。な?」
声が近づいてくるのはわかるのに、やはり振り返れない。
「うぅー…はげー。」
「お前、ハゲ言いすぎやろ。」
呆れた声と共に優しく抱きつかれた。
そして、耳元でyasuの低い声がした。
「誕生日おめでとう、ka-yu…愛してんで。」
「…うん。」
やっと振り返り、yasuの肩に顔をうずめ、つぶやいた。
涙が、止まらない。
「今年こそは会いに行こうと思っててん。…今夜は寝かさへんで?」
得意気に笑うyasuがおかしくて笑ってしまった。
「おう。望むところや。」
yasuの首に腕を絡めて、キスをした。
幸せに包まれた。
そんな気がした。