単話
□熱からの解放
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「んっあぁ、や……」
『小狼』は汗をかいて、何かを堪えるような顔をしている
先程きちんと着ていたパジャマは、全てボタンが外され肌が露出していた
ズボンは下着とともに脱がされている
部屋に響く音は『小狼』の喘ぎと嬌声、そして肌のぶつかる音と水音
シーツを握り、快感をひたすら受け入れていた
時折強い快感が襲ってきてその度に腰がビクッと上下し、嬌声が出る
「あっ!!…………は、あ…んあっ」
だんだん早くなる刺激
それに伴い近づく限界
「……『小狼』っ」
「あ、ああぁぁ──!!っあ、ぁ……─────」
小狼の顔が歪んだ───
『小狼』の中に温かなモノが広がっていく
そして胸を激しく上下させて息をしている『小狼』のお腹には白い液体がこぼれていた
物音のない静かなとき
小狼は隣で眠っている『小狼』の髪を指ですいていた
呼吸が少し落ち着き、顔の火照りも少しひいてきた
熱が少し下がってきたようだ
情事後、『小狼』は気を失うように眠りについた
自分も一緒にそのまま眠ってしまいたかったが、そうはいかない
『小狼』は風邪をひいていて高熱がある
このままだと更に悪化してしまう
それでは元も子もない
事後処理した後、小狼は自分の服装を整えると、桶のところにある替えのタオルで『小狼』の汗を綺麗に拭いて、初めにきちんと着ていたように『小狼』にパジャマを着させた
そのあと、自分も『小狼』のベッドの中に入り、今に至る
元々『小狼』は免疫力が強い
薬さえ飲んで寝れば、きっと明日には大分良くなる
『小狼』の額にキスをして、濡らしたタオルを乗せた
「おやすみ、『小狼』」
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