単話
□君とキミ
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ひたすら快感に堪えていると今度は強烈な痛みに襲われた
「いったぁ……」
熱いものが無理やり入ってくる
『小狼』は目をギュッと閉じた
いくらほぐしたからとはいえ、やはりキツイ
ファイは痛がる『小狼』に構わず強引に自身をいれていく
「…動くよ」
「っい、や……うあっ!!」
ファイが動き出すと『小狼』から悲鳴があがった
次第に楽に動けるようになってきたので動きを速める
「やっあ、あ…は…ん」
動く度に『小狼』の口から悲鳴ではなく嬌声が出てきた
「気持ちいいの?」
「やっ…ち、がっ……ぁ」
「素直になったら?こんなに反応しちゃって」
一度萎えかけ、再び起ちあがった『小狼』自身を擦る
「やっ…だぁ!!……あ」
『小狼』自身を擦りながら動きを速める
「んぁっ!…やぁ、あ…」
「イかせてあげる」
「ひゃあっ…ああ」
『小狼』の快感部を強く刺激して追い詰めていく
「あああぁ…ああ!!…やっあ…────」
先程のように『小狼』は白濁の液を出した
「まだだよ」
そう言うと、ファイは『小狼』の腰を掴みあげると激しく動いた
「やぁ…だっ…あぁ」
絶頂に達したばかりで苦しさが募るばかり
意識がハッキリし出した分、サれていることに息苦しい苦しさしか感じない
「あぁ…───」
中で温かいなんとも言えないモノが拡がった
その感覚を最後に『小狼』は意識を手放した
ファイは『小狼』の中から出すとズボンを整え何事も無かったかのようにベッドから起ちあがった
近くにあった布団を被せてやり、眠る『小狼』を一瞥するとファイはその部屋から出ていった
もういない、愛しい君
君と同じ姿をした子が君の居た場所に居る
初めからこうなることは予想出来ていたけど
やっぱり駄目だよ
キミは君じゃない
割りきれない
姿や声が同じでも
君じゃないから
キミと行為をしても
虚しさだけが募るばかり
それでも俺は
また
繰り返すのだろう───
君とキミを重ねて
END
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