単話

□願う
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──深夜─────


ベッドで色んな資料を読んでいた俺のところに黒鋼さんが来た

もう皆眠ったから、黒鋼さんがまだ起きていたことと俺の部屋に来たことに驚いていた


俺は先日のこともあり、気恥ずかしくて黒鋼さんを見れない…

しかも二人きり

変に緊張してしまう…


「まだ起きてんのか」

「はい、もう少し見たら寝ようかと…」

「刀の訓練もあるんだ、早く寝ろ」

「…はい」


はにかんだ笑顔で小狼は答えた

資料を挟み小狼の隣に黒鋼は座った

小狼の心臓は高鳴り先程よりも緊張が増す



隣に黒鋼がいる
それだけでこんなに緊張するなんて……
どうしよう
資料が頭に入らない……



小狼の頭は軽くパニックになっていた



「!!?」



突然小狼の頭に何かが触れた

それが黒鋼の手だと気付くのにそう時間はかからなかった



「早く寝ろよ」



わしゃわしゃ、と撫でていた黒鋼の手が離れ、ベッドから立ち上がった



「っ黒鋼さん!……」


「なんだ?」


「……え、と…」



立ち去ろうとしていた黒鋼を咄嗟に呼び止めてしまったが、何がしたかったのか
自分でも分からず、あたふたしてしまう



「……なん、でも…ありません」



結局答えは見つからずそう言うしかなかった



「っん!?」



いきなり顎を掴まれて上に向かせられたかと思うと唇に何かが触れた

それが黒鋼の唇だと理解すると急に顔が熱くなってくる

舌が絡められ、吸われると何とも言えない感覚に襲われ、呼吸の仕方も忘れてその口づけを受け止めていた


息が苦しくなってきたときに唇が離された


そして、肩を掴まれるとベッドに押され、自分を見つめる黒鋼の瞳と合う

これから何をスるのか小狼は知っている

だからゆっくりと黒鋼の背に手を回した






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