単話

□お礼短小説シリーズ
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お礼短小説第1弾
【近づきたい】
CP:写身×本体







『小狼』は写身である俺と違って、寝返りをうつ。生きている者には当たり前のことだが、写身である俺はソレをしない



俺は、ベッドで寝ている『小狼』の近くに行き、眠っているのを見ている。

今は夏。暑いのか、被っている布から手や足を出して少し汗をかいていた

『小狼』が寝返りをうつのを見ていると思わず微笑んでしまう。


俺は自分と『小狼』の違いが嫌いだ。
ほんの細やかなことでも同じでありたい、と思ってしまう…。
少しでも、近く───



眠っている『小狼』にそっと近付き、髪をすいた。

『小狼』は目覚めなかったが、少し身を捩った。


この違いだけは許せる。もし『小狼』が写身なら、触れても身動きひとつせずにまるで死んでいるかのように眠るだろう。
…それは見たくない


「ん……」

そろそろ覚醒するのだろう。眉が動いた

「…『小狼』」

俺が呼びかけると少し目を開け何度か瞬きをした。

「……ん…しゃお、らん?」

半分寝ぼけた感じで、とろんとした目をこちらに向けて俺の名を口にした


あぁ、これが「愛しい」なんだ


「どうした?…眠れない、のか?」

「いや、なんか目が覚めちゃって」

「そうか…じゃ、何故ここに?」


俺と『小狼』はそれぞれ自分の部屋で眠っている。だから夜にこの部屋にいることに疑問を抱くのは当然だ

「『小狼』の顔が見たくて」

「なるほ……はぁ!?」


完全に目が覚めたらしい。起き上がろうとするのを肩を押して止めさせ、俺は『小狼』に跨がるようにベッドに入ると『小狼』にキスをした


『小狼』は大きく目を開いて俺を見ている


俺が『小狼』の両手を掴み頭の上で抑えつけると『小狼』は焦りだした

「おい、何を……っん」

『小狼』の唇を塞ぎ、深くキスをした

『小狼』から完全に力が抜けたところで唇を離した。口から唾液を溢したまま、息を乱しながらぼんやりした目で俺を見ている

「一緒に眠ろう」

「……なに、いって…っあ!───」






愛しい…

だから、少しでも


近づきたい───




お互いが深く繋がったら


その後は

一緒に深い眠りに入ろう




─深く───



───深く──────







END
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