単話
□妬きもち
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─そんなある日───
ファイとサクラとモコナが出掛けて1日いない日が出来た。当然、部屋には小狼と黒鋼だけ
…嬉しいはずなのに苛々している
──なんなんだ?──
小僧は俺のことを避けているような気がする
まるで腫れ物にでも触るかのように…
「おい。小僧」
「は、はい」
やはり、緊張している…
俺は黙って飲み物の入ったコップを差し出す
「え……?」
「飲まねぇか?」
「いえ、いただきます」
慌て小狼は黒鋼からコップを受けとった
「有難うございます」
礼を言うと小狼は一口飲んだ
黒鋼は椅子に戻って酒を飲み始める
─しばらく経ち──
「黒鋼さん」
小狼は黒鋼の前まで来て話しかけた
「これ、有難うございました。美味しかったです」
「…もっと飲むか?」
「はい」
小狼はニコッと笑っている
実は、この飲み物は黒鋼がジュースにお酒を混ぜたもの。かなりキツメの酒を混ぜた
案の定、小狼は酔っている
黒鋼は立ち上がると小狼を抱き上げた。それはいわゆる、お姫様抱っこ
「わっ!??」
「静かにしてろ」
酒の入った瓶を持つと、黒鋼は自分の部屋へ小狼を運んだ
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