単話
□下心
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放課後の教室は、帰る生徒や部活に行く生徒でざわついていた
「じゃあね、サクラちゃん」
「ばいばい、ひまわりちゃん」
『ひっまわ〜りちゃ〜ん♪』
『四月一日君、百目鬼君、ごめんね待った?』
『ううん、全然♪』
『じゃ、帰るぞ』
『偉そうに言うな!百目鬼のくせに!!』
『ホント、仲良し……』
『そ、そん…』
『…』
サクラは、廊下でひまわりが四月一日や百目鬼と帰るのを見ると、自分も帰り支度を始める
♪ピンポンパンポーン♪
『今、校内にいるサッカー部は、職員室前に集まって下さい』
校内放送が流れた
(あ、サッカー部って…小狼君…)
バタバタバタバタ…――
廊下から足音がし、見てみると
「小狼君!!」
教室のドアに小狼がいた。かなり急いでいるようだ。呼ばれたのだから当たり前ではあるが
「…サクラ、俺、部活で呼ばれたから、少し遅くなる…」
「うん、待ってるね」
「ごめん、なるべく早く戻るから」
そう言うと、小狼は走って行った
(やっぱり小狼君だな)
きちんと遅れると伝えに走ってきてくれた
生徒がほとんどいなくなった教室でサクラはクスッと笑った