DEATH

□near対策
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うわああああ
もう無理だ
どうしようもない


鏡の前にたたずんでもう
約1時間がたった。

俺が今なにをしているか、
こんな所、誰かに見られたら
もう終わる。


「メロ、何してんの?」


......終わった。



洗面所の入り口にマットが
立ってこっちをまじまじ見ている。



「見たのか、おまえ。」

「ふふ」


みられた。

「メロ、
なに企んでんの?
鏡にまぶしい笑顔なんて向けちゃって」

完全に恥ずかしい所を
見られていた。

しょうがない...。
はなすか。

マットなら信用できるし。

一応親友だし。

思い切って話そう。

「明日何の日か知ってるか?マット。」

「....明日....。
明日は8月24日.....だから、
あ、ニアの誕生日だっけ?」

そう明日はニアの誕生日。
今までひどいこと言ってばっかだから、
明日こそはしっかり
祝えるように俺は1時間もかけて
鏡の中で笑顔の練習をしているのだ。


「メロってさ、
やることが....かわいいよね。」

マットは笑いをこらえて
肩をふるわせている。

言わなきゃよかった。
やばいぞ。
俺の人生の中の
恥ずかしいランキング1位だ。
失態だ。

「ふふっ
でも、そんなメロ珍しいから、
俺はちゃんと協力するよ。
へへっ」

マットはまだ笑っていた。







「で、何するつもりなの?メロ。」


マットはやっと落ち着いた様だったが、まだ顔はにやけていた。
そんなに恥ずかしい光景だったのか.....

泣きたくなった


「ニアのことだ、
あいつ絶対自分から
自分の誕生日いわないはず。」

「ああ、だろうね。」

マットはまたゲームを
していた。

「あいつ、何がほしいと思う??」

「ニアってさあ、」

マットが手を止める。

「ああ?」

「俺たちがプレゼントしなくても
自分で手に入れそうじゃね?」


マット、
今日はおまえさえてる。


「だからさあ、
ニアには手に入れるのが不可能な
ものがいいんじゃん?」


手に入れられないもの,,,,,,

「例えば?」

「んー、 
メロといっしょにいる、時間とか....笑」

笑!?

 

いや、
ニアが俺といて
楽しいわけがない。
ましてや
最大のライバル。
逆に喧嘩に,.....

「まあ、踏み込んでみれば
なにかわかるかもよ?」


踏み込む。

ニアの部屋に?


確かに流れに任すのも
悪くないのかもしれない。


「マット、
おまえ今日すごい。」

「だろ???」







「頑張ってみるか.......」


そう言ってマットのゲームをのぞき込むと
『いけない関係 部屋編』

と書いてあった。


今日のマット...
なるほど。


いや、でもそっちじゃないぞ。
ちがうぞ、マット。
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