DEATH

□2人の夢
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光るモニター。
周りを走るミニ汽車。 

ここはどこだろう。

「ああ、SPKの本部ですね。」

よく見ればいつもと変わらぬ
本部の風景が広がっていた。

「誰もいないんですか。」


珍しくレスターも、
ハルさえ見あたらない。

「......こまりましたね。」


あの人たちがいないと
色々と不自由なのに。



「ニア。」



聞き慣れた声。


懐かしくて、
なのにもう
帰ってこない人の声。


「おまえ、
また1人かよ、ニア。」


そして
もう一人。

永遠のライバルで
永遠の親友だった声。




まあ、

いるはずが無いのだが。


最近は疲れていて
こうやって1人に
なったとき、
彼らの記憶が
たくさん降ってくる。


「どうして
私を取り残して
行ってしまったのでしょうね。
L、メロ。」



そんな独り言が
静まりかえった
本部に響く。


「別に、
1人では無いでしょう?
ニア。」



!?



「俺も
そう思うがな。」




「Lっ!?メロ....!.?」


そこには
猫背でひん曲がった
せなかでお茶を飲む男と
あぐらをかいて
チョコをかじる男が
座っていた。


「どういう...事ですか?」

疲れがたまっているのか、
確かに2人はそこにいた。

「まあ、一時帰宅、
みたいなものでしょうかね、
メロ。」

「そうだな。
あんまり長くは
いられないが。」


その2人は
普通に会話していた。 

「.....一時帰宅?」

「ああ、驚いたか?ニア」

メロは偉そうなポーズを
とって問いかける。

「まあ、
幽霊ですがね。」

Lは平然と言った。


「あっちの世から、
会いににきた。

おまえ、1度も
墓来てないだろ」

「さみしいですよ。
ニア。」

この2人は今、
wammy'sの敷地内に
埋葬されている。

でも、
行けるはずがない。

行ったりしたら、
もう
帰って来れなくなりそうで。

「ニア、
悪かったと思っています。

1人ぼっちにしてしまって。」


Lはカップに
角砂糖を加えながら言った。

「別に、
いいですよ」

おもっても無いことをはき出す。

「嘘はいけません。
寂しかったのでしょう」

Lは優しく問いかける。
以前会ったときと
変わらないLだった。


正直なところ、

さみしいなんて
もうとっくに通りすぎてる。

唯一本心をさらけ出せるあの2人が
いなくなってしまったのだから。

本当は
死ぬほどつらかった。

涙をこらえる日々が
多かった。
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