ようこそラメールカフェ!

□キッチンの憂鬱
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「な、何だよ。そんな目で見るなって」

「…邪魔」


そう一言だけ言うと、隼人は洗い終わった食器を食器棚の中へ閉まっていく。


「なぁ隼人、古都どこ行ったか知ってる?あいつ休憩中のはずなんだけど」

「休憩ルームはさっきまでわたしが居たんですけど、古都ちゃんは居ませんでしたぁ…」

「…バイク」

「「バイク?」」

「うるさい者同士で。そのまま帰ればいいのに」


隼人は表情を変えずにいつも通り悪態をついた。


「はっはぁ…なるほど。そういや拓真も休憩中だったな」

「古都ちゃん連れてドライブに行ってるんですね…」

「前から乗りたいって言ってたしなぁ」

「謎が解けたなら仕事しろ」


そう言ってキッチンへ戻っていく隼人。


「謎はまだあるってのにさ…二人が休憩入ったの大分前だし、あたしが皿割れる音聞いたのはついさっきだし、やっぱ古都は関係ないじゃん」

「うーん…もう良いんじゃないですか?お客さんが割ったのかも」

「そうだな…さっき子供連れのママ友が来てたし」







***************



「藤崎、空いてるうちに休憩行って来れば?」

「…ああ」


ゴミ捨てを終えた歩が戻ってきて言った。客が少ない今ならキッチンが一人でも充分回せる。


「…………」

「…皿割ったの…」

「え?」

「…さっき来てたガキだぞ」

「へ、へぇ?」

「知ってるくせに」


その言葉に歩は目を丸くする。隼人はサロンエプロンを外しながらニヤリと笑った。


「あんま苛々すんなよ」

「してない、つーか常にイライラしてるお前に言われたくない」

「ふん」

「(イライラする必要も、理由も分からない)」






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