Fate

□興味本位
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今日は久々に生徒会の集まりがなく、自由な放課後を過ごせる。そう思っていたのに、担任長谷川の話好きが災いし、かなり時間が押してしまった。
しおりら三人はまだ合宿への持ち物が揃ってないなどと言い出したので、待ってもらうのも悪いと思い先に帰ってもらった。きっと今頃は近くのショッピングモールで買い物中だろう。持ち物は揃っているものの、合流しようか、帰宅しようかナツは迷っていた。


「(とりあえず外に出よう)」


バッグを肩にかけ下駄箱へ向かった。






story20.興味本位




革靴に履き替え校門へ向かっていると、その途中前方に同職である彼の姿が見えた。一人でいたのなら声を掛けたかもしれない。しかし数人の女子生徒に捕まっているようで、何度か目にしたことのある優等生スマイルを振りまいていた。
これは彼のためにも私のためにもスルーした方が良さそうだ、そう思った。


「ごめんね」

「ううん、用事があるなら仕方ないよ!」

「次こそは遊びに行こうねっ」

「うん、じゃあまた」

「(あ、離れた)」


女子生徒と分かれた和は、手を振っている彼女たちに気付いているのかいないのか、お構いなしに背を向けて歩き始めた。


「また断られちゃった」

「真面目なのよ」


「(…非常に気になる)」


彼の本性を知ったとき、彼女たちはどのような反応をするのだろうか。一人で真剣に考え込んでいると、つま先にコツンと何かが当たった。


「(…これは)」


生徒手帳だ。






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