Fate

□放課後の出来事
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「「合宿!!?」」


放課後の生徒会室に、由衣とナツの驚いた声が響き渡った。
目の前にいる男子生徒会長はピクリとも表情を変えず続けた。


「四月に配ったスケジュール表に書いてあるだろう」

「そ、そう言えばそんな気も…?」

「合宿所の下見合宿と書いてあるけど、どういう意味」


ナツはすぐさまバッグから生徒会の年間スケジュール表を取り出して言った。


「今から説明する。…おい、お前たちはちゃんと聞いているのか」


俊二は先ほどから反応がない恵としおりに向かって問いかけた。
二人は真剣な目つきで颯太のことを見つめている。
それはもう穴が開きそうなくらいに。


「さっきから、どうかしたの?」

「あっ!い、いやぁ、何でもないんすよ!」

「そうそう!ボーッとしてただけだ!寝不足でな!」

「睡眠はとらないと駄目だよ」

「お、おう」


颯太本人に話しかけられ、不自然に言葉を返す恵としおり。
その様子を見てナツはため息をつき、由衣は恥ずかしそうに俯いた。






Story16.放課後の出来事






『あの…みんなに言っておきたいことがあるんだ』

『どうした?由衣。いつになく真剣だな』

『仲良くなった頃、秘密事はなしって決めたよね。だから…』

『由衣…』

『何かあったんすか!?何を告白されようとも、うちらは受け止めるぞ!』

『あ、ありがとう。でもそんな大げさなことではないんだぁ。ただ、気になる人ができて…』

『…ワッツ!?き、気になる人!?それって、好きな人ってことっすか!!』

『ど、どこの輩だ!?ろくでもない奴だったら…!』

『二人とも落ち着くんだ。由衣の話を最後まで聞こう。』

『そ、そうだな』

『由衣が好きになった人だし!誰であっても驚いたりしないっす!』

『え、えっと…その…森山くん、なんだ…』

『え?』

『だから、私の好きな人…』

『『ええぇえぇえええええええぇ!!?』』






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