Fate
□大きな一歩
2ページ/8ページ
「よぉ生徒会」
由衣「!?は、はい」
三年の先輩…
全く気付かなかった。
この学園では珍しくガラが悪くて有名なんだよね、この人…
名前は何ていったっけ…
「おい、聞きてぇことがあんだよ」
由衣「はい、」
颯太「どうかしましたか?」
由衣「も、森山くん!」
小声で「大丈夫?」と聞いてくれる。
気がつけばいつもの穏やかな笑顔があった。
颯太「先輩?」
「賞品のことだ。ありゃあマジの話なんだな?」
颯太「まぁ、そうっすね」
「ハッ、そうかよ。オイそこの女!」
由衣「えっ、は、はい」
「俺が勝った暁にはテメーを指名してやるよ。文句ねーよなぁ!?」
由衣「わ、私…?」
そう言って空になった空き缶を投げ捨て、去っていく先輩。
そんな…何でうちが。
颯太「上原さん」
由衣「どうしよう…森山くん。あの人がほんとに勝っちゃったら…」
颯太「…大丈夫、勝たないよ」
根拠のない台詞。
だけど、森山くんの言葉はすべて真実に聞こえてくるから不思議。
心を穏やかにしてくれる。
→