Fate

□大きな一歩
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「今年の球技大会はとても盛り上がっていますねぇ」

「あ、理事長。賞品が賞品ですから…」

「最初は冗談かと思いましたよ」

「良いじゃありませんか。皆楽しそうだ」







恵「今んとこ全勝かー…さすがあたしのチーム、死角なしって感じだな…」

しおり「それってもっと胸張って言う台詞じゃない!?どんよりし過ぎだよ!」

恵「うっせー!勝ったところで賞品は紙切れなんだよ!はぁ…」


球技大会当日
皆が盛り上がりを見せる中、恵は賞品のおかげでやる気が出るどころか意気消沈していた。



ナツ「由衣、何キョロキョロしてるの」

由衣「えっ!?べ、別に何でもないよ?」

ナツ「………」

由衣「あはは…タオル取ってくるねっ」

ナツ「………」




story.11 大きな一歩





由衣「佐々木さん、居ないなぁ…」


気にしてたし、絶対来ると思ったんだけど…




「もうすぐ球技大会らしいわね」

「知ってたんだ」

「風の噂で…森山さん、サッカーするのかな…」

「…しないよ、できないの」

「それって…」

「…………」




数日前のやり取りを思い出す。
初めて話して以来、何度か訪ねて行ってるけど…
意外にも、拒否されたことはない。

彼女の考えには賛成できない部分も多いけれど、気持ちは分かるから。


由衣「寂しいんだよね…」


辛いんだよね、佐々木さん…





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