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□Do you love me?
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古泉のことが大っっっ好きなキョン〔補完〕













【I cannot say】





「ねぇキョン君」
「あ?」

俺は振り返りもせずに返事をした。
我ながら可愛いげのない生返事。
だって今ボス戦だぜ?


「キョン君、ちゃんと僕の事好きですか?」

なんて事を聞いてきやがる。
コマンド間違えちまったじゃねーか。

「…べっっつにぃ」

聞かなくてもわかるだろ。


「僕はキョン君好きですよ」


あぁもう!また間違えた。
無駄にエロい声でそんなこと言うな。
心臓に悪い。


「聞き飽きた」


あぁ、まただ。
どうして、言えないんだろう。


「僕も飽きるくらい聞いてみたいものです」
「うるせー」


そんなに軽々しく言えるもんか。


「ねぇキョン君」
「何だよ」
「僕ばかり貴方を好きなのは不公平じゃありませんか?」




は?何だと?
それはこっちのセリフだっつーの。
俺はこんなにお前を想ってんののに、お前はいつもハルヒハルヒって。
俺置いて、アルバイトに行くくせに。




「…ーょ」
「はい?」
「不公平じゃねーよ」



俺の方がお前の事好きに決まってる。



「俺だって、お前が…」



途中で言葉が詰まる。
胸が苦しくて、声を出せない。



「最後まで言っていただかないとわかりませんねぇ?」


言ってやりたいけど、


「…言わない」


言えない。


「へぇ、そうですか」



あ、声のトーンが違う。



「キョン君は僕が嫌いなんでしょうね」



あぁどうしよう。



「ちょっと夜風に当たってきます」



怒らせた?



「ちょ、古泉っ」



ベランダへ出ていく古泉を追いかけたが、振り返りもせず戸を閉められて、追い付くことが出来なかった。










暫く、動けなかった。


『キョン君、僕の事好きですか?』
『あぁ』


それだけで、彼は幸せそうに微笑んだ。


その表情に、胸を締め付けられてそれ以上言えなくなる。


気持ちが入りすぎて、言葉に詰まるんだ。




でも、それだけでは伝わらないよな。













「…古泉」

ベランダに出ると、冷たい風が頬を撫でた。

「何ですか?」


寂しそうに笑う古泉。

ごめんな。そんな顔をさせて。


「あのさ、その」



うまく顔が見れない。

言葉に出来ないもどかしさで、

「あぁ〜っもう」

古泉を抱きしめて、キスをした。




冷えた古泉とは裏腹に、俺は熱くてしかたがない。



一度唇を離されたが、すぐにまたキスされて、強く抱きしめられ、俺も黙ってそれに応えた。










「好きだよ」

無意識に、言葉に出来た。

「お前が…本当に、だから…言いづらいんだよ」


意識した途端、言葉が喉に詰まりそうになる。



俺もお前以上に好きだからさ。



とは、言葉に出来なかった。






不意に、強く抱きしめられて、

「キョン君。大好きです」

と、耳元で囁かれた。



「あ、俺も、…だよ」



今回はこれで勘弁な?





今はまだ、お前に恋をしているから。








告白するには勇気がいるだろ?




END
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あとがき
古泉視点を書き上げてUPした後、あれじゃあキョンがどれだけ古泉を好きかわかりづらかったので、こっそりキョンVerも作成。
慎様、すみませんでした。
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