古キョン


□砂糖
1ページ/1ページ

今日は、朝比奈さんがコーヒーを入れてくれた。
なんでも、貰ったが自分では飲めないからと、部室に持って来てくれたのだ。
個包タイプのドリップ式だったので、一人分ずつ丁寧に淹れてくれている。

「キョン君、お砂糖とミルクもありますから。ココ置いときますね」
「ありがとうございます」
貴女が淹れて下されば、砂糖なんかなくても甘いに違いありません。


ハルヒと長門はブラックで、俺はミルクのみ。

ふと、古泉を見ると砂糖の空き袋が


「3本!?」
「何でしょう?」
古泉は、加えてミルクを2つ空けていた。

「お前さぁ、朝比奈さんのコーヒーを台無しにするな。そんなに入れたら砂糖の味しかしないだろ」

俺が呆れながら言うと、古泉は不思議そうな笑顔で

「コーヒーの味もしますよ?」

と答えた。


そういえば、いつだかもミルクティーを飲んでいたな。

「お前、イメージ的にはブラックっぽいのにな?」
「そうですか?形容的にはよく『甘い』と言われますが」



あぁ、それは何だか想像がつく。



「そりゃアレだ。顔や声や言葉が…」

と、言いかけてやめた。


これじゃあまるで。



「フフッ、ありがとうございます」

「褒めてないぞ。笑うな。こっち見んな。早く飲め」



何だかとても恥ずかしくて、俺は一気にコーヒーをあおった。





ミルクだけのコーヒーが、とても苦く感じたのは、こいつのせいだろうか。





ただ、その苦さが、甘いモノの後には丁度良かった。





end



--*--*--*--*--*--
砂糖タップリのコーヒーも美味しいですよ?

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ