古キョン
□砂糖
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今日は、朝比奈さんがコーヒーを入れてくれた。
なんでも、貰ったが自分では飲めないからと、部室に持って来てくれたのだ。
個包タイプのドリップ式だったので、一人分ずつ丁寧に淹れてくれている。
「キョン君、お砂糖とミルクもありますから。ココ置いときますね」
「ありがとうございます」
貴女が淹れて下されば、砂糖なんかなくても甘いに違いありません。
ハルヒと長門はブラックで、俺はミルクのみ。
ふと、古泉を見ると砂糖の空き袋が
「3本!?」
「何でしょう?」
古泉は、加えてミルクを2つ空けていた。
「お前さぁ、朝比奈さんのコーヒーを台無しにするな。そんなに入れたら砂糖の味しかしないだろ」
俺が呆れながら言うと、古泉は不思議そうな笑顔で
「コーヒーの味もしますよ?」
と答えた。
そういえば、いつだかもミルクティーを飲んでいたな。
「お前、イメージ的にはブラックっぽいのにな?」
「そうですか?形容的にはよく『甘い』と言われますが」
あぁ、それは何だか想像がつく。
「そりゃアレだ。顔や声や言葉が…」
と、言いかけてやめた。
これじゃあまるで。
「フフッ、ありがとうございます」
「褒めてないぞ。笑うな。こっち見んな。早く飲め」
何だかとても恥ずかしくて、俺は一気にコーヒーをあおった。
ミルクだけのコーヒーが、とても苦く感じたのは、こいつのせいだろうか。
ただ、その苦さが、甘いモノの後には丁度良かった。
end
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砂糖タップリのコーヒーも美味しいですよ?