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□He does not notice it
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999Hit 月宮ゆかり様リクエスト
キョンデレに気付かないへたれ古泉とそれがもどかしいキョン











【He does not notice it】












部活帰りに5人で歩く坂道。
俺は女3人の後ろ姿を見ながら、古泉に歩調を合わせる。





バイトがあると、古泉は早く帰ってしまうから。
一緒に帰れる時くらいは、ゆっくり歩きたい。
それに、彼の隣を歩くのが嬉しくて…。





「皆さん楽しそうですねぇ」

「何かまた企んでるんだろ」


帰り際、そんな話をしてたからな。


「楽しくていいじゃないですか」

僕のバイトも暇になります。と、笑う古泉。


「そりゃ良かったな」


暇でなによりだ。

こうして、皆で一緒に帰れるし。


「どうされたんですか?」

「何が?」

「少し歩調が遅いみたいです」

「っ、べつに…」





お前と、少しでも長く歩いていたいからだ。





なんて言ったら、どうする?





「気分でも悪いのでは?」

「いや、悪くない」





むしろ上機嫌だ。





不思議そうな表情の古泉に、笑顔を向けて





「お前が居てくれるから、とても気分は良いぜ?」





と、言った。





古泉は表情を変えず、首を傾げると、何かに気付いたように笑顔で俺を見た。





「あぁそうですよね」

「そうだな」

「男子がキョン君一人だと、居づらいですよね?」





…。





鈍感。





変に勘が鋭い癖に、こういうのには気付かないよな。






クソッ、忌ま忌ましい。






「あれ?キョン君歩調が速くなりましたね」

「あぁそうだな」

「?キョン君怒ってます?」

「あぁそうだな」





歩幅を広め足早に女性陣を抜いていく。





「あ、ちょっとキョン!団長のアタシを追い越すなんて生意気よ!」





苦情は古泉に言ってくれ。





「待って下さいよ。どうしたんですか?」

追い付いて来た古泉に、

「…お前なんか嫌いだ」

と、言ってやった。

「え、何でそうなるんですか?」

「知るか。気付け」

と吐き捨てて、更に歩調を早める。







駆け足で付いてくる古泉と、諦めて3人でまた会話を楽しむハルヒ達。








あいつらを振り切ったら教えてやるよ。










機嫌が良かった理由と、不機嫌の原因をな。









END






≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒
あとがき
月宮様。リクエストありがとうございました。
ちゃんとキョンデレになっているでしょうか?ドキドキ。
またのお越しを心よりお待ちしております。

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