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□Do you love me?
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900Hit 慎様リクエスト
古泉のことが大っっっ好きなキョン













【Do you love me?】





「ねぇキョン君」
「あ?」

僕の愛しい恋人は、ゲーム画面に目を向けたまま、不機嫌そうに返事をした。
家に入り浸ってくれるのは嬉しいけど、こうも放置されてばかりだと、流石に寂しい。

「キョン君、ちゃんと僕の事好きですか?」
「…べっっつにぃ」


予想通りの返答。
わかってはいるけど、少し胸が痛む。


「僕はキョン君好きですよ」


もう、何度この言葉を口にしただろう。


「聞き飽きた」


そうでしょうね。


「僕も飽きるくらい聞いてみたいものです」


貴方の口から。


「うるせー」

そう答えると、またコントローラーを操作し始めた。



「ねぇキョン君」
「何だよ」


「僕ばかり貴方を好きなのは不公平じゃありませんか?」


想いに見合う対価が欲しいのは、僕の我が儘?


「…ーょ」


「はい?」
「不公平じゃねーよ」

操作は止めたものの、画面に目を向けたまま、彼が言った。


「俺だって、お前が…」


ねぇ、その後は?


「最後まで言っていただかないとわかりませんねぇ?」


聞きたい。


「…言わない」


聞きたいのに。




「へぇ、そうですか」

予想はしていたものの、こうも頑なに拒まれると、

「キョン君は僕が嫌いなんでしょうね」

少し、悲しい。



「ちょっと夜風に当たってきます」


席を立ち、ベランダに出る。

こんな僕は見られたくない。



「ちょ、古泉っ」



彼の慌てた声を聞きながら、僕は後ろ手に戸を閉めた。







「…古泉」

どれくらい経っただろう。
頭だけでなく体まで冷えて来た頃、彼が入って来た。


「何ですか?」

うまく笑えないまま振り向くと、苦しそうな彼の顔があった。





「あのさ、その」


何かを伝えたさそうな彼に、少し期待してしまう。


「あぁ〜っもう」


目が合った瞬間、彼に抱き締められ、心地良い温もりに包まれた。

期待以上の行動に驚いていると、唇にも柔らかな感触を受け、キスされた事に気がついた。



ゆっくりと唇を放して彼をみると、よほど恥ずかしかったのか、酔ったように紅くなっていた。
よく見ると、瞳も少し潤んでいて、それがとても官能的で。



もう一度、深くキスをした。












「好き、だよ。お前が…、本当に。だから…言いづらいんだよ」

顔を背けながら、たどたどしく話す彼。
首まで赤くなっていて、その言葉が彼にとってどれほどの重みを持つのか、わかる。




愛おしさが込み上げてきて、強く彼を抱きしめると、彼もそれに応えるように、僕を抱く手に力がこもった。





「キョン君。大好きです」
「俺も、…だよ」








言葉にしてもらわなくてもいい。

貴方は、そうやって返事だけしてくれればいい。

でも、たまには聞きたいです。





『貴方は僕を愛してますか?』





END





≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒
あとがき

慎様。リクエスト頂けてうれしかったです。が、ご期待に添えられたでしょうか?

あぁ、やっちゃった感が…。穴を掘って入ってきます。
















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