ケロロ短編
□ケロロ 俺等専用、僕等専用
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そんな貴方の顔は、僕専用ですよね？
ケロロ軍曹〜俺等専用、僕等専用〜
この頃、携帯に頻繁に迷惑メールが届くようになった。
しかもスパムメールではなくて、明らかに人為的な物ばかりが。
学校の後輩であるサブローの話では、どうもどこぞの駅のトイレにアドレスを落書きされたからと言うことらしい。
そういう話を俺と同いのガラの悪い奴らが話していたんだそうだ。
迷惑極まりない話だけど、一応芸能人である身の上だからこんなことは珍しくない。
アングラ雑誌や某巨大掲示板にメアド流出、なんて事もままあるからね。
…今回は原因が原因だから少し凹みはするけど、対処方はいつもと同じ。
アドレスを変えちゃえばいいんだ。
いい加減バリエーションがなくなって来て覚えにくいアドレスになったけど仕方ない。
アドレス毎に送受信制限かけるには数が多すぎるからね。
かといってアドレス帳登録者以外を制限したら、他の人がアドレス変えた時の報告がもらえない。
クルルに頼めば確実だけど、同時に確実に死者が出る。
俺がアドレスを変えるしかない、って訳さ。
…今はネットで楽に変えられていいよね。
ちょっと前は手続き面倒臭くて苦労したんだ。
アドレスを変更すると、俺は携帯ショップの機械で変更報告を皆に送った。
皆ってもあまり多くはないけど、月に１度くらいの頻度で変えているからいちいちメール打つのは面倒だと思わない？
無論いちいち登録しなおす相手方だって面倒だと思うけど…
と、携帯が震える。
今しがた送ったばかりなのに、もう１通メールの返りがあったようだ。
早いなあ、なんて携帯を開いてチェックすれば、アドレス帳の中でも数少ない仕事以外の知り合いの筆頭、冬樹君からの物だった。
早いなあ、中学生は今授業中の時間なのに。
（ちなみに俺は今日は自主休暇実行中だ）
文面は『了解しました』だけだったけど、それに俺はチクンと胸が痛む。
冬樹君にも何度も手間かけてるんだよなぁ、と思った途端物凄い罪悪感に襲われた。
いつも散々甘えさせてもらってんのに、こんな所でも迷惑かけるなんてどうなんだろう。
それに、アドレスを変更する時ついでに全メール消してしまうから、それまでに話した冬樹君とのメールもなくなってしまっていて。
それは冬樹君にも悪いし……俺も寂しくて、毎回辛い。
他の奴は構わないけれど、冬樹君だけは。
そうしないためにはどうすればいいだろう？
と、考えて……
俺は、棚にある携帯の商品見本を手にとった。
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