ケロロ短編

□ケロロ 個人専用電波発信機
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俺にだって気分がノらない時くらいあるさ。


ケロロ軍曹〜個人専用電波発信機〜


調子が悪い。
体調がどうのではなくて。
気分がノらないって言う方が正しいのかな。
別に何があったわけではないのだけれど…
いや強いて言うなら冬樹君に一週間会えていないけど、あったとしてもそれくらい。
…流石にそれが原因ではないとは思いたいな。
ま、このくらいの調子のよくなさは時々ある事だからあまり驚かないし、普段なら

「あー、だるいなぁ」

ってベッドにダイブしてすぐ復活、程度の話なんだけど、今回はそうはいかないんだ。
実は…これからラジオの本番があるんだよね。
もうスタジオに入ってて、本番までもう間もなくって所。
気分転換をする暇すらない。

…別に仕事が嫌な訳じゃないんだ。
ラジオ番組は好きでやっているからやる事自体は嫌じゃないし、むしろ好きな仕事ができて有難いとは思ってる。
けど、それでもなんとなく気が乗らない時はあるだろう?
まぁ、それは我儘でしかない事はわかってる。
体調の悪いことすらネタにして番組を回して、それがリスナーに受け入れられるキャラの人もいるけど、俺は違うからね。
いつものキャラを崩すことを、リスナーは期待していない。
あくまで623でなきゃいけないんだ。
それは時々物凄く寂しい時もあるのだけれど。

「はい、本番まであと5!」

…我儘言ってる場合じゃないか。
プロデューサーの声に、俺は頭を切り替えた。

『623の、俺ラジオー!さぁ今週も始まっちまった俺ラジオ、今日のテーマは………』
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