ケロロ短編
□ケロロ 我儘、我儘ニ
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はじめて素顔を見たような気がするよ。
ケロロ軍曹〜我儘、我儘ニ〜
東京の夏の昼特有の壁みたいな熱風と降り注ぐ蝉時雨。
僕、日向冬樹はほとほと参っていた。
今は夏休みの自由研究の調べもののために図書館へ行った帰り道。
ちなみに研究内容は
『温暖化による地球の気圧の変化における環境推移予想図』
っていうヤツ。
張り切って朝から図書館に行ったんだけど大した資料もなくて、いても意味がないやと外に歩き出したのが間違いだった。
姉ちゃん程ではないとはいえ、僕は暑さに弱いんだ。
「暑い〜…」
思わず呟いたけれど、あぁ、吸い込む空気が熱い!
こんな事なら無駄でも図書館に残ればよかったと後悔…しても仕方ないか…
あぁ、今頃軍曹はクーラーをガンガンに効かせた中でDSやってるんだろうなぁ。
あ、軍曹が地球を征服したらこんな猛暑日なくしてくれるんじゃないかな、なんて馬鹿みたいなことが頭をよぎった。
はは、少なくとも姉ちゃんは懐柔できるね。
…なんて考えてる場合じゃない!
せめて日陰を探さないと倒れかねないよ!
僕はとりあえず休める日陰を求め、日差しを手でガードしながら走り出した。
走ると内側から暑い………
※その頃の軍曹
「草むしりしっかりねー」
「……………………おのれ夏美殿め…」