短編ごちゃごちゃ

□ソニック ブレイクファースト
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大好きの上なんだけどな。


ソニックワールドアドベンチャー
〜ブレイクファースト〜


「おいしーい!」

ECの露店でゴージャスステーキをパクつくチップを横目に見つつ、俺はやれやれと肩をすくめた。
記憶を失ったり地球がブッ壊れたりしてるってのに、コイツはホントにマイペースなヤツだぜ。
かく言う俺だって呑気に好物のホットチリドックが出来るのを待ってるんだから人の事は言えないけどな。
ま、朝飯位たまにはちゃんと食っときたいし、あのエッグマンのやる事だ。
俺がひとっ走りしてやればちょちょい!
って解決するさ。

「そうやって調子乗ってエッグマンにやられたんでしょ?少し反省しなよ」

そう言いながらやって来たのは、トルネードのエンジン熱でチリドックのパンとソーセージを焼いていたテイルスだ。
痛い所を突かれた俺は、

「No,way!」

と軽口を叩いたけれど、全くもう、とテイルスを呆れさせただけに終わった。
それでもチリドックはくれたから、本気で呆れちゃないみたいだが。
テイルスのチリドックは絶品だからな、お預けされなくて良かったぜ。
一口頬張れば、食べなれたいつもの旨味が口に広がる。

「delicioas!」

「もう、現金なんだから」

思わず口にした俺を見て、テイルスは苦笑いながら俺の向かいに座る。
手に持ってるのはテイルスの朝飯なんだろう。
皿に乗ったドーナツだ。
テイルスはそれを一口かじって…

「…チップ、どうしたの?」

その言葉にチップの方を見れば、とっくにステーキなんか食べ終えたチップは何故かテイルスを見て目を輝かせている。
てっきりドーナツが欲しいのかと思ったんだが、チップは予想外の事を言い出した。

「テイルスってすごいんだねー!」

why?
そう思ったのはテイルスもらしく、俺達は顔を見合わせる。
そんな心境を察した…訳ないか。
チップはだってさぁ、と勝手に話を続けた。

「オイラ結構ソニックと居たつもりだったけど、ソニックがそんな風にやりこめられたの初めて見たよ!」

shit!そんな理由かよ!
こりゃ変に口を開くとテイルスに普段の恨みつらみを聞かされかねないとダンマリを決め込んだ俺に、

「ね、ね、テイルスとエミーってソニックの事知ってたけど、2人はソニックの友達なの?」

なんて事を聞いてきたチップから顔を背け、俺はわざとらしくチリドックを目一杯口に含んでやりすごした。
つーか何でエミーが出てくるんだよ。

しかし質問の矛先が

「ねー、テイルスー」

だなんてテイルスの方に向かいだしたので、俺は慌ててチリドックを飲み込んで口を開く。

「エミーはっ…」

げ、声が裏返っちまった。
ケタケタ笑うチップと、意地悪に笑うテイルスを軽く睨んで咳払ってから、

「エミーは一応友達だ。デートや結婚を迫ってくるから避けてるけど、嫌いって訳でもないんだぜ。苦手なだけで」

そう言ってやると、補足にと言わんばかりにテイルスはチップにこっそり耳打ちする。

「エミーには言わないであげてね。怒ったエミーはソニックも裸足で逃げ出す怖さだからさ」

耳打ちなのに丸聞えだ!

「テイルース?」

余計な事を言うな、と意味を込めて睨んだんだが、テイルスはあたかも突っ走ってエッグマンにやられて心配かけた罰だよ、と言ったような薄笑った眼差しを俺に寄越す。

…エミー以上にテイルスにはもう一生勝てない気がするんだが…

テーブルに頭ついてうなだれる俺を尻目に、ソニックにも苦手あるんだーだなんて純粋に感心していたチップは、

「じゃあテイルスはー?」

テイルスの頭に乗っかって聞いてきた。
正直に言うのは恥ずかしいんだが…
まぁ、あんならしくない体たらくを晒した後で恥も外聞もねーかと開き直った俺は立ち上がって、テイルスを後ろから抱き締めながら答える。

「俺が世界で一番大切に思ってる相棒さ!」

「えぇ、ちょ…ソニックっ!」

公衆の面前でこうまでされるとは思わなかったらしいテイルスは、顔を真っ赤にして慌ててるけど、正直可愛いだけだな。
こんな行動にこんな反応にあの台詞なんだ、どんな鈍いヤツだって、言葉のホントの意味が分かるだろ?

「へぇ、テイルスはソニックが大だいだいだーい好きな友達なんだね!」

恋愛って発想がない、お子様チップ以外はな。

「ソニックの友達ならチップも友達だよ!」

なんて楽しそうなチップに、ホントの意味を教えてやるべきかは…
ちょっと悩む所だな。
なんて無駄な事を考えながら、俺はそういや久々なテイルスの抱きしめ心地を朝から堪能した訳だ。


抵抗しなかったって事は、テイルスも満更じゃあなかったのかもな。

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