短編ごちゃごちゃ
□ソニック 僕の研究動機
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その話をうちに来たエッグマンにしたら、思いきり笑われてしまった。
「お前さんは本当にソニック大好きっ子じゃのー」
うるさいな。
……誤解しただろうから説明するけど……
エッグマンはエクストリームギアっていう健全な商品を作る会社の社長でもある。
そして僕はそのギア開発に関して業務提携をしてるんだ。
T-チューンってブランドのヤツがそれ。
そういう関係だから世界征服どうこうとは関係なく話すことはよくある。
それに、技術者としては仲間だからね。
兵器とは関係ない場所で開発に詰まったら助けるって約束もしてるし…
ソニックはいい顔しないけど、一人じゃ限界もあるから仕方ないじゃないか。
技術も資金もさぁ…
なんて頭でナレーションを流す間も笑っていたエッグマンは、
「ソニックのため、だけでも構わんじゃろう」
って肯定してくれた。
「研究や開発には様々な動機がある。
それが人によって様々なのは当然で、他人にとやかく言われることではないわい」
…世界征服のためでも?
「当たり前じゃい!」
あはは、成程ね。
エッグマンが自分が悪だと思ってない理由がわかった気がするよ。
ひとしきり笑った後、咳払いをしたエッグマンが話を続ける。
「開発には必ず根底に、どこまでも通ったその者のテーマがある。
なかったヤツは、半端なまま消えていったがの。
…ワシの場合は、世界征服…いや、エッグマンランド建設じゃった」
今は打倒ソニックの方が強そうだけど、それだって世界征服への過程のひとつだから間違っていない。
……なら、僕は……
「……そうか……!」
僕の開発テーマは、『ソニックのため』だ。
決めていた訳じゃなくて、いつしかそうなってただけだけど、それでも間違いなくそうだ。
かなり勝手な理由だけど、セカイノタメなんてイメージできないモノよりは、
『サンキュー、テイルス!』
なんて喜んでくれるソニックのための方が張り合いもある。
あぁ、結局僕も自分のためにメカを作ってるのか。
「誰だってそうじゃろ」
だよねぇ、聖人君主じゃないもんねぇなんて笑って。
僕らは新作エクストリームギアのコンセプトについて相談しだした。
商品の場合は折り合いも必要だよね。