短編ごちゃごちゃ

□亜空の使者・外伝 もうひとつの最終決戦
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何処とも言えない海の上。
音速の青いハリネズミ、ソニックと、その相棒のコギツネ、テイルスを乗せた青い小型機トルネードIIは、物凄い勢いで真っ直ぐ飛んでいた。

「まだ見えないのか、テイルス!」

「もう少しで見えてくる筈だよ!」

先を見据える2匹の目的地は…スマッシュブラザーズ開催会場だ。


亜空の使者・外伝
 〜もうひとつの最終決戦〜


…話は一週間程前まで遡る。
来月に開催が差し迫った、ニンテンドー主催の一大乱闘イベント、スマッシュブラザーズ。
今回で3回目となるこのイベントへの参戦のお誘いが、何故かニンテンドー外のソニックの元に届けられたのだ。
只でさえ面白い事が大好きなソニックが、しかも丁度退屈していた時にこんな知らせが届いたものだからたまらない。
直ぐ様飛び起き、詳細を聞くべくテイルスに通信を繋いでもらった。
開催日時や場所、持ち込める物などを事細かに聞き、話が新システムの話に及んだ所で…
ブツンと、急に通信が途絶えたのだ。
その後何度通信を入れても運営側に連絡がつかず、これは何かがあったのだろうと察した2匹は顔を見合わせ、頷いて。
しかしトルネードIIを飛ばす為のカオスエメラルドを手に入れるのに一週間かかってしまい、ようやく今朝。

「目標、スマッシュブラザーズ会場!」

「OK!Let's move it!!」

トルネードIIに飛び乗ると、事の真相を確かめるべく全速力で発進した。



そして話は冒頭に戻る。
スマブラ会場が見えるにはまだ少し遠い空域で、既に待ちくたびれてしまった短気なソニックは、時々テイルスを急かしながらも周りを眺め。

「……ん?」

何かに気付いたソニックは、急いでテイルスに声をかけた。

「あの、浮かんでる黒いの…何だ?」

言われてテイルスもよく見れば、確かに妙な黒い球体が虚空に浮かんでいる。
けれどいくらテイルスが一流技術者とは言え、ああまで遠い物の正体なんかわからない。
何だろう、と首を傾げながらもそのままの進路を取ろうとした時。

「…かわせ、テイルスっ!」

ソニックの叫び声で、反射的に機体を急降下させた。
直後機体の側を行き過ぎる光線に動揺しながらも、テイルスはその光線が纏う爆風を機体を操り受け流す。

「何、今の!」

「あの黒いヤツがブッ放してきやがった!」

爆風の煽りをモロに受け、定位置の尾翼にしがみついたままのソニックが遠くの黒い球体を睨みつけた…途端。
グラリと機体が揺れて、あらぬ方向に引き寄せられる。

「何やってんだテイルスっ!」

叫んで、けれど直後その言葉を訂正した。
光線の爆風の如く目の前に広がった黒い空間に、機体が吸い寄せられていたのだ。

「……悪い、逃げろっ!」

「無理だよ、出力が足りないっ!」

そして、彼等は悲鳴を残し。
その黒い空間に吸い込まれてしまった。



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