Boys Love

□カラダで静めてこの怒り
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放課後

先生に言いつけられた教材を片付けに

俺は独り資料室にいた

「・・・っとこれはここだな・・・」

古びた本を本棚に戻す

がらり

すると突然扉が開いた

「あ セイラン先輩・・・」

そこから入ってきたのは意外な人物

ユウナ・ロマ・セイラン先輩

あまり話した事はないけれど

その上から目線なしゃべり方が好きになれない

つまり 苦手

「あ 先輩

 どうしたんです・・・え・・・?」

振り返り 

何故ここに来たのか聞こうとしたら

とんっ

背中が本棚に触れる

そこに

退路を塞ぐかのように

俺の前に先輩が立つ

俺より背の高い先輩は嫌な目つきで見下ろしてくる

・・・気持ち悪い

後ろは本棚

前は先輩

左右は彼の腕

・・・逃げられない

なんだこれ

カツアゲ?

「あの・・・先輩?」

おずおずと見上げる

「君がね ちょうど資料室に入ってくのが見えて

 食べたくなったんだ」

くすりと笑う

食べる?

なにをいってんだこの人は

「・・・え・・・と・・・」

俺が困っていると

先輩はまたくすりと笑って

今度はその唇で首筋に触れる

「・・・っっ?! 先輩っ?!」

なんか嫌な感じがして

彼の肩を押し返すけど

ビクともしない

ぬるりと湿った舌が這う

「・・・っっ」

必死で声は殺すけど

身体は跳ねる

「や・・・やめ・・・」

その舌が這い上がり

耳に届く

「一度ね・・・触れてみたかったんだ」

囁くようにはかれたその言葉は

やっぱり気持ち悪い

俺の退路を塞ぐために置かれていたその腕は

いつの間にか身体を撫でる

「・・・んっ・・・」

小さく声を漏らすと

彼は嬉しそうに笑う

・・・なんか悔しい

「ほ・・・ほんとに・・・やめ・・・」

「なんで? 君はちゃんと反応しているだろう?」

そういって

先輩は俺の下腹部に触れる

「・・・っ!!」

食べるってそういうことかっ!!

「ふっふざけっ・・・」

本気で嫌だったし

キラにも・・・あれだし・・・

俺は必死で暴れた

でも

「・・・っう・・・わっ」

両手を頭上でひとつに押さえつけられ

動けなくなった

「・・・無駄だよ・・・」

彼の声がいやらしく耳に流し込まれる

がちゃがちゃとベルトを外す音がする

嫌で怖くて気持ち悪くて

思わず泣きそうになったけど

悔しいからこらえた

「・・・・っ」

今は声を出すのをこらえているから

反論さえ言えない

唇を噛みしめるので精一杯だ

だから先輩が下着の中に手を入れて

アレに触れてきても

目を瞑って

耐えていることしか出来ない

・・・なんて情けない

「・・・敏感・・・だね・・・」

「・・・ぅ・・んっ・・・」

あぁ・・・もう嫌だ

このまま俺はどうなってしまうのだろうと考えていると

がしゃん

大きな音をたてて扉が壊れた

「・・・・・・・・っなんだ?!」

先輩が慌てて振り向く

それでも俺の手は開放してくれない

「そいつはやめとけ

 後がこわいぞ」

「ディ・・・アッカ・・・?」

壊れた扉の奥から現れたのは

ディアッカだった

俺の周りの唯一の常識人で

キラ同様 随分と小さな頃からの付き合いだ

「・・・チッ」

先輩は舌打ちすると

「・・・痛っ・・・」

俺の手を一瞬強く握り絞めて

離れていった

先輩が教室から出て行くまで

ディアッカは彼を強く睨みつけていた

「・・・・・・はーーーーーーー」

彼が出て行ったのを確認すると

俺は力なくその場にへなへなと座りこんだ

「・・・・・・」

下腹部は少し反応していたけれど

おさまらないほどではない

なんか一気に緊張がとけて

・・・・・・・・泣きそう

「大丈夫か アスラン」

ディアッカが座りこむ俺に近づく

「あぁ・・・すまない」

俺は目の前に立つディアッカを見上げる

「あ〜〜〜〜・・・ったく

 そんな顔すっから犯られんだろうがっ」

豪快な溜息を吐くと

頭を抱えて俺の前にしゃがむ

「??」

わけが分からずおろおろする

「あーもーいいからっ

 早く行け キラが待ってるぞ」

「あ・・・」

すっかり忘れてた

キラが待ってるんだっけ

かちゃかちゃと俺は慌てて身だしなみを整える

「すまない ディアッカ」

立ち上がりながら 礼を言う

「教室だ」

「あぁ・・・あ」

急いで資料室を出ようとしたけれど

入り口は悲惨に壊れ

このまま帰っていいのかと立ち止まった

それに気づいたディアッカが

いいからと背中を押す

「本当にすまないっ

 今度なにかおごるからっ!!」

振り返りながら彼に告げる

ディアッカは片手をひらひらさせていた






















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