もう一つのオレンジ

□九 夏の花火
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「ふぐぐぐぐぐぐ・・・」

いくら瞳に力を入れても

あの時みたいになにも壊れないし

それどころか紅くもならない

「なんでーーー!!

 チャドと織姫チャンはできてるのにぃーー

 俺はできないのぉーーー!!」

「が・・・頑張って!!紅焔くんっ

 できるよっ」

「・・・うむ」

「・・・情けない奴め・・・」

「そんなこと言わないでさー 夜一サン

 コツとか・・・ない?」

俺らの先生である

黒猫の夜一さん

人語の話せる謎多き黒猫さん

「馬鹿者 

 それはおぬしの力じゃ

 おぬししかわからん」

「うーーーーーーーー・・・」

なんていわれても

全くわかんないよ

あの時のことなんてほとんど覚えてないし・・・

「思い出せ

 あの時おぬしはなにを護ろうとした」

「え・・・?」

そんな俺の心を見透かしたように夜一サンは問う

「えと・・・」

確かあの時は亘を護りたかったんだ

もう 誰かの血まみれは嫌で

もう 弱い自分はいやで・・・

・・・ツキン

「・・・あ」

僅かだが 瞳に痛みが走る

「おぉっ!! なんかいい感じ!!」

「では・・・」

夜一サンは俺を真っ直ぐ見る

「おぬしは何のために尸魂界へ行く?」

夜一サンからの問題

そんなの簡単だ

ずっと変わらない

その理由

「・・・凛護を護るため」



























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