もう一つのオレンジ

□壱壱 守と攻
1ページ/6ページ












私が護って

君が戦う






















守と攻






















ぱきり

踏みつけた物体が音を立てて砕ける

私たちは断界に入り

走った

「ほ・・・ホントに壁が追いかけてくるぞ!」

石田が後ろを振り返り

驚愕の声をあげる

「後ろを振り返る暇があるなら一歩ででも進め!

 拘流に飲まれれば終いじゃぞ!」

そんな彼を夜一が一喝する

そうだ

私たちは進まなくてはならない

ただ前へ

前へ 前へ 前へ

どしゃぁ

「わぁっ」

崩れた壁に

石田の服が絡まる

「バカが! 変な服着て来るからだ!」

私の前を走っていた一護が振り返り

斬魂刀に手をかける

「斬魂刀は使うな!」

夜一が 叫ぶ

「じゃぁどうすりゃ・・・」

がし。

「え」

びりり。

ひょい。

「わぁっ」

チャドが無言で石田の服を掴み

破り

担いだ

そのおかげで石田は無事だ

「茶渡くんっ

 降ろしてくれ!!自分で走れ・・・え・・・」

担がれ 後ろを見る形となっている石田は

自分達を追いかけてくるそれに気づく

「ま・・・待ってくれみんな・・・

 なにか 来てるぞ・・・」

その声で 私はちらりと後ろを見た

それはどこか列車のような

なんともいえない物体だった

「『拘突』じゃ!!」

夜一は物体の名を叫ぶ

それは恐ろしく速い

私たちは走った

前へ 前へ 前へ

しかし

所詮は人間の足だった

「お・・・追いつかれ・・・」

ざっ

私は走る足を止めた

皆が私の横を通り過ぎて行く

「凛護っ?!」

一護が振り返る

私はその拘突と言う名の物体を見据え

静かに斬魂刀に手をかける

「・・・静まれ 双天華」

さらり

二本の斬魂刀から

無数のひだが舞う

身体の前で斬魂刀を交差させる

そこへ霊子を込めると

見えない障害が

拘突との間に出来る

ドォンっ

拘突は迷わず障害にぶつかってきた






























次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ