もう一つのオレンジ
□九 夏の花火
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もういちどここで
夏の花火を
夏の花火
絶対に
死んだと思った
だってまだ身体は震えているし
向ってくる霊圧で潰れそうだし
息をするのも苦しいし
傷だってずくずく痛む
でも
これ全部
生きているから
生きているから感じる感覚
「・・・はっ・・・はぁ・・・」
私は膝をついたまま
左手にはしっかりと斬魂刀
右手には落としたはずの斬魂刀
その柄からは無数のひだが風になびく
目の前には・・・・・・・・
・・・・・何も無い
だが
浦原の攻撃は完全に防いだ
「・・・それが 貴女の能力ですか」
土煙がおさまって浦原の姿が見える
それと同時に彼の声がする
「のう・・・りょ・・く・・・」
「貴女の斬魂刀の能力ですか」
攻撃を防いだのは見えない壁
私を護る無色の壁
それが
わたしと
双天華の
ちから
「・・・は・・・はははははは・・・は・・・」
生きていてたことが
嬉しいのか
ちからが
嬉しいのか
身体の奥から笑いが込みあげてきた
「・・・はは・・・は・・・」
自分の笑い声がだんだん遠くなっていって
ぱたり と
私はそのまま意識を手放した
遠くで 浦原が薄く微笑む
「レッスン2 クリアっス・・・」
彼の声が静かに響く
◇◆◇
ちなみに
レッスン1は凛護が死神であることです((汗