もう一つのオレンジ

□八 氷の華
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手に入れたい

強い自分と負けない自分
















氷の華

















ここはどこだろう・・・

ひどく 寒い

ひどく 冷たい

なのに

心地よい・・・

死というのはもっと暖かいものだと思っていたけどな・・・

はぁ・・・

・・・あ?

「なに・・・ここ?」

目を開けて起き上がってあたりを見回す

そこはお花畑でも三途の川でもない

あたり一面銀色の世界

氷と雪の世界・・・

とても

「・・・綺麗・・・」

『あ 気に入ってくれた?』

『気に入ってくれたー?』

「う・・・わぁぁぁぁあぁあぁあ」

突然目の前に女の子が現れた

あまりに突然すぎて コケた

『うきゃきゃきゃきゃきゃ』

『凛護おもしろーい』

「・・・・・・・??」

女の子は2人いた

どっちも同じような姿

真っ白の着物

歳は・・・6つ くらいかな?

ただ

髪と目の色がそれぞれ違った

一人は黒色の髪と白の目

もう一人は白色の髪と黒の目

「え・・えと・・・キミ・・・たちは?」

『んー なんでしょう?』

『なんでしょー♪』

「な・・・なんでしょうって・・・」

『大丈夫♪』

『僕らはのことは凛護が一番知ってんだから』

なにが大丈夫なんだ・・・

「でも・・・私キミたちみたいな子供知らない・・・」

『えー こんなに近くにいるのにー』

『いるのにー』

ぶーと少女たちは頬を膨らます

「ご・・・ごめん・・・」

なんとなく謝ってしまった

『それより凛護』

『この世界をどんな風に変える?』

「・・・は?!」

話が突飛過ぎてついていけない

『ここは凛護の世界』

『凛護が王様』

2人は立ち上がってめいっぱいに手を広げるる

『凛護が怒れば氷は融ける』

『凛護が泣けば雨が降る』

急に少女たちの声のトーンが下がった

今まではしゃいでた子供とは思えない

ひどく静かな声

全てを凍らせてしまうような

冷たく恐ろしい瞳

私は身震いした

『凛護が強くなれば』

『世界は変わる』

「私で・・・世界が?」

『凛護はどう変えたい?』

『凛護はどう強くなりたい?』

「わた・・・しは・・・」

強くなりたかった

傷つかないくらいに

護れるくらいに

始めは純粋に強くなりたかった

けど 強くなるうちに力に溺れた

戦いが楽しくなった

傷つけることが快感となった

私が一番強いとおもった

「私は・・・」

でもそんなもの幻だった

小さな世界で鼻高々になっていただけだった

私は…弱い

こころもからだも

「力が欲しい 

誰にも負けない力が欲しい

自分に負けない力が欲しい

強くなりたい」

こんな子供になにを言ってんだ 私は

恥ずかしい

馬鹿みたい

『それが 答え?』

『答え?』

けれど

答えられずにはいられない

「うん それが私の答え」

これは私の懺悔で決意

『そっか・・・』

『じゃあ・・・今度はちゃんと刀を握ってね』
 
「え?」

『僕たちが変えないから』

『この世界の色 変えないから』

『『護るから

だから安心して握って』』

「もしかして・・・キミたち・・・」

『あぁ・・・そろそろ時間みたい』

『ホントだ 時間だ♪』

ゴゴゴゴ・・・

地面が呻きとともに大きく揺れた

「え・・・わ・・うそ・・」

自分が座っている地面が大きく裂ける

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

そのまま真っ暗な穴に落ちていく

『ねー』

『ねー』

遠くで少女たちの声が聞こえる

『僕はー双天』

『僕はー天華』

『『僕たちはーーーー』』

「・・・・・双天華」

目を開けたらそこには

見知らぬ天井が広がっていた











































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