もう一つのオレンジ

□壱〇 旅立ちの日
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浦原に案内されたのは

例の勉強部屋

「うわーーすっごぉい」

それに織姫は過剰に反応する

「さすが井上サン・・・」

浦原は過激な反応に感激する

「それより 早く行こう」

目の前に扉があるのに

待ってなんかいられない

トンっ

浦原の杖で

私たちは死神化する

一護は魂の抜けた身体に

コンの玉を入れる

「あーあ

 どうせなら凛護姉さんの身体がよかったなー」

起きるないなや

そんな無駄口をたたく

ぶっ飛ばしてやろうかと思ったが

そんな労力を使いたくないのでやめた

眉間に皺を寄せる私に

浦原が近づいてきた

「凛護サン これを」

「ん? なにこれ」

浦原が渡してきたのは丸い玉

「義魂丸ス」

「義魂丸?」 

「ちなみに二番人気のユキっス

 手にいれるの大変だったんスよー」

「・・・そんなのどうでもいい

 それよりなんで」

「なんでって

 腐りますもん」

「は」

「長い間肉体に魂がないと腐るんス」

「・・・・・

 これ 私の身体にいれればいいの?」

「はい♪」

私はそれを

恐る恐る空になった自分の身体の口にいれる

ゆっくりと

私の瞼がひらく

「ぐぇーーーーーーー」

「「っ!!」」

その場にいた全員が身を引く

勢いよく私の身体が起き上がったと思ったら

奇妙な奇声をあげた

「あ どうもぐぇ

 この身体は私が預かるぐぇ

 だからどうぞ安心して・・・

 ぐぇーーーー!!」

「おい」

私は我慢ならず

私の胸倉を掴んだ

「お前・・・そのへんな喋り方やめねぇと

 殺すぞ」

「ぐぇーーーー?!」

私の姿でこんな喋り方 許せない

屈辱だ

「それは無理っすよー凛護サン

 そういう設定ですもん♪」

浦原が能天気に言う

「ぐぇ」

そうだと言うように

私(義魂玉)が私を見上げる

「・・・っち」

私は舌うちをし

胸倉を掴んだ手を乱暴に離した

義魂玉の私は少しふらつき

それでも

自由になった事に安堵した

そんな彼女?を私は容赦なく睨みつける

「・・・あんま喋んなよ・・・」

低く

出来るだけ低く囁いた

その言葉に

彼女は凍りついた



























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