もう一つのオレンジ

□九 夏の花火
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「・・・どういうこと?」

少し前

まだ一護が目覚めてなくて

私が浦原との殺し合いの日々を送っていた時

今日の殺し合いを終えた私に

浦原が妙なことを言ってきた

「ですから

 一護サンはまだ自身の力に目覚めてないんです」

浦原の話はこうだ

一護は今 死神の力を持っていない

それを目覚めさせるには一度 

虚にならなくてはならない

成功すれば 晴れて一護は死神に

失敗すれば 一護はそのまま虚に

「・・・成功する確率は?」

「五分五分です」

「・・・・・・・・・・・」

「全て一護サンにかかってるんス」

たったひとりの弟

私の片割れ

ずっと

一緒に生きてきて

ずっと

別々に生きてきて

「もし・・・一護が虚になったら・・・」

たくさん傷ついたね

たくさん傷つけたね

だからせめて































「私に斬らせて」

最後は私の手で






























結局、一護は死神に戻れた

途中危なくて

私は斬魂刀を握ったけど

鞘から抜くことはなかった

正直

こんな思いは二度とごめんだと思った

何も言わずに一護を見ていた私だけど

震えてた

恐ろしかった

何度も

何度も一護を斬る映像が頭をよぎった

お願いだから

もうこんな思い

・・・させないで

私を護ってなんて言わない

だから

だから・・・
















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