もう一つのオレンジ
□五 雨の記憶
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ザァァァァァァァァァァ
「・・・・・・・」
いつまでたっても痛みは走らないし
身体を貫く感覚もない
おかしいなって思って
少しだけ目を開けた
「・・・一護?」
そこには斬魂刀で奴の爪を受け止めている一護がいた
「・・・なにやってんだ凛護
そんなにおふくろ斬るのが怖いのか? 偽者なのに」
あんたにはわかんねぇよ
たとえ偽者でももう血まみれの母さんは見たくないんだ
そう・・言いたいのに
私にはそんな力すら残っていない
あぁ・・・
母さんの姿と弟の姿が遠くなっていく
見えなく・・・なっていく
私の視界は真っ暗になった