もう一つのオレンジ

□五 雨の記憶
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力だ

私の・・・力だ

タンッッ

「凛護?!」

死神になった瞬間私は地面を蹴って奴との距離を縮めた

「死ね」

ザンっ

私の振った剣は虚しくも宙を斬る

虚は空高く飛んだ

「チィッ」

「迂闊だ莫迦者!!」

ルキアが叫ぶがそんな声 私にはもう聞こえない

『甘いわ・・・死神!!』

一護が切り落としたはずの腕が生えてきた

それが伸びて私に掴みかかろうとする

チキ

それを私は斬魂刀で軽く受け流す

もう一方の刀で奴を貫こうとした時だった

ブワァッ

虚の体毛が一気に伸びて私に絡みつく

「凛護!!」

一護が斬魂刀を構える

「自害せよロンダーニの・・・」

ルキアが言霊を唱える

「やめろっ!!」

私は体毛に埋もれながら叫ぶ

「手をだすな

 誰も邪魔をするな

 コイツは・・・私が殺す」

ザンッ

私は奴の体毛を斬って抜け出した

「凛護!!」

立ち上がった私の傍にルキアが駆け寄る

「ルキア いいから 手ぇだすなよ」

「っっ」

ルキアは怯んだ

「殺して・・・やる」

私は虚を睨み 再び向かっていった










「ルキア・・・」

「一護」

「殺らせてやってくれ」

「しかし・・・」

「アイツは昔からあぁなんだ

 一度殺ると決めたら殺るまで止まらない

 絶対に誰にも手出しさせない

 そんな奴なんだ

俺がボコボコにされた時もそうだった」
一護は苦笑する

「相手を半殺しにしちまって…

大変だったぜ」

「・・・・・」

「大丈夫 危なくなったら俺が手ぇだすし

 だからお前は夏梨と遊子を頼む」

「・・・・分かった」













さぁ 復讐の始まりだ









 






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